7月、中国・広西で豪雨とダム決壊による大洪水が発生し、甚大な被害が出た。
それから1カ月以上。当局が発表した死者は159人。
「少なすぎるのではないか」
公式発表に疑問が広がっている。
なぜ被災地を「見せられない」のか
本紙や本紙姉妹メディアNTD新唐人テレビの現地取材では、十分な避難通知がないまま濁流が押し寄せ、村や住宅、車だけでなく、多くの人まで流された深刻な被害が明らかになっている。
被災後も支援は十分に届かず、洪水の爪痕が残る。一方、当局は救助や復旧を連日大きくアピール。現地からは、国民に「政府は全力で救援している」と印象づけるための「救援ショー」だとの批判も出ている。
さらに当局は、ダム決壊現場を鉄板で封鎖。民間救援隊の立ち入りを制限し、被災地からのSOSや空撮映像を削除、ライブ配信も規制した。被害を発信した住民を拘束し、被災者の救援テントまで深夜に撤去した。
なぜ、救援に必要な情報まで封じるのか。
大災害なら、本来は被害を知らせ、外部に救援を求めるはずだ。ところが広西では、その逆のことが起きている。
現地や中国のネット上では、被害の深刻さや行政の不作為が知られ、国民の怒りが政府へ向かうのを防ぐためではないかと指摘されている。「住民の安全」より「政権の安全」を優先していると考えれば、一見不合理な対応にもつじつまが合う。
だからこそ、現場を隠し、映像を消し、人々の口を塞いだ後に示された「159人」という数字にも疑いの目が向けられている。
現場の惨状を隠すのと同じように、犠牲者数も小さく見せ、政府への怒りが広がるのを抑えようとしているのではないか。
内部告発者が明かす「横州だけで死者1万人を超える」といった民間で伝わる数字も、現状では外部から確認するすべがない。本当の犠牲者が何人なのかは、いまも分からない。
情報を封じる共産党政権が続く限り、その真相が明らかになる日は来ないのかもしれない。

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