カナダが推進してきた継続的な高水準の移民受け入れ政策を支える知的基盤が、大きな揺らぎを見せている。政策推進派が繰り返し掲げてきた主要な論拠のいくつかについて、その根本的な弱点が次々と明らかになっているためだ。
政治家が「カナダには年間を通じた大量の移民流入が必要だ」と説明する際、最も頻繁に用いる理由の一つが、国内の出生率低下を移民によって補うという主張である。しかし、この論拠の核心的な欠陥が、このほど人口学を専門とする査読付き学術誌『Population Research and Policy Review』に掲載された論文によって浮き彫りになった。
この論文は7月17日に発表され、「Immigrant Fertility in Canada 2001–2021: A Brief Report(2001~2021年のカナダにおける移民の出生率:短報)」という一見平凡な題名が付けられている。しかし実際には、カナダの移民政策をめぐる重要な知見を提示しており、政策立案者に深刻な再検討を迫る内容となっている。
著者らは、「近年の移民がカナダ生まれの国民と同等、あるいはそれ以下の出生率しか持たないのであれば、移民は人口問題への長期的な解決策ではなく、単なる人口減少を繰り返す『人口動態の回転ドア』となる」と指摘している。
移民は高い出生率を持つという広く浸透した認識は、もはや有効性を失っていることが明らかになった。この見方は「1990年代後半の研究」に基づいて形成されたものだという。
論文は、移民とカナダ生まれの国民との出生率について、「収斂(しゅうれん)する傾向」が明確に確認されており、特に新規移民の出生率低下は、カナダ生まれの国民よりも速いペースで進んでいると指摘する。
移民とカナダ生まれの国民との出生率の差は急速に縮小しているだけではない。さらに注目すべきことに、論文は、カナダへの主要な移民供給国上位10か国すべての出身女性が、カナダ国内に定住した後、「人口置換水準を下回る出生率」となっていると指摘している。
人口置換水準とは、人口を長期的に維持するために必要な出生率を意味し、女性1人当たり2.1人程度の出生が基準とされる。
論文は、移民について「長期的な人口圧力に対する持続可能な解決策ではない」と結論づけ、「人口減少に対する短期的な対策にはなり得るが、人口の置換を生み出すものではない」としている。
今回の研究は、高水準の移民受け入れを正当化する「高齢化社会対策」という論拠を否定してきた過去20年にわたる研究結果を改めて裏付けるものだ。
2006年には、カナダの政策研究機関であるC.D.ハウ研究所が「No Elixir of Youth: Immigration Cannot Keep Canada Young(若返りの万能薬ではない:移民ではカナダの若さを維持できない)」と題する報告書を発表し、「移民によってカナダは高齢化人口がもたらす課題から解放されることはない」と結論づけた。
また、昨年2月には、米シンクタンク「移民政策研究所」が発表した研究で、移民も「やがて高齢化し、国内生まれの国民と同様に退職する」という現実に対処する唯一の方法は、「移民規模を無期限に継続的に拡大する」という持続不可能な選択肢になると指摘された。
高水準の移民受け入れ政策を支えるもう一つの主要な柱は、「カナダでは深刻な労働力不足が発生している」という主張である。
この主張は最近、カナダ独立企業連盟(CFIB)が発表した声明でも繰り返された。「臨時外国人労働者によって埋められている仕事は、カナダの若者が望まない仕事である」と題された声明は、カナダ国内メディアでも広く報じられた。
CFIBは、自らの調査結果として、カナダの若者の「3分の1以上」が、「屋外で天候の影響を受ける仕事」や「最低賃金水準、あるいはそれに近い賃金の仕事」を探すことに消極的であると指摘した。
しかし、カナダが労働力不足に直面しているという見方は、近年、ソーシャルメディア上だけでなく、かつて移民政策への懐疑的な論調をほとんど掲載しなかった新聞の論説欄でも、次第に批判を受けるようになっている。
実際、労働力不足という主張は、若年失業率が12.7%に達している現状とは容易に両立しない。今年、トロントで開催されたカナダ国立博覧会では、わずか5000件の求人に対して5万人もの応募が殺到し、限られた雇用機会を求めて若者が長蛇の列を作る様子を映した動画がソーシャルメディアで拡散された。
移民政策を支える出生率論は、具体的な人口統計データによって反証可能である。一方、労働力不足論は、より概念的な問題である。
カルガリー大学公共政策学部が2013年に発表した論文「All the Workers We Need: Debunking Canada’s Labour-Shortage Fallacy(必要な労働者はすでにいる:カナダの労働力不足論の誤りを暴く)」は、この理論を正面から検証し、その前提を否定している。
同論文の執筆者である研究者ケビン・マクキラン氏は、カナダが直面しているのは厳密な意味での「労働力不足」ではなく、「労働力の不適切な配置」であると主張する。
同氏はこれを、「労働市場が求める技能と労働者が備える技能との間の不均衡、さらに求人が存在する地域と就労可能な労働者が居住する地域との間の隔たりが拡大している状態」と定義している。
そのため、マクキラン氏は、カナダの労働問題を解決するために必要なのは「労働供給の増加ではない」とし、既存の国内労働力に対する職業訓練の強化や、「労働需要の低い地域にいる失業者を、労働力を必要とする州へより効果的に移動させる仕組み」を構築することだと主張している。
海外から労働力を輸入するのではなく、国内で労働力を再配置する政策は実現可能であり、実際に政府の各レベルで断続的に実施されている。
4月にはカーニー政権が、ブルーカラー労働力不足への対応として、「最大10万人の熟練技能労働者を確保する」全国的な取り組みを発表した。このような政策こそ例外ではなく、標準的な対応策となるべきである。
しかし、カナダ政府は依然として大規模な移民受け入れ政策を継続している。政府は今後3年間、年間38万人の永住者を受け入れる方針を掲げており、さらに個別の特別措置によって14万8000人の永住者を追加する計画である。
これは3年間で約130万人の永住者を受け入れる規模に相当し、外国人労働者、留学生、難民申請者は含まれていない。
カナダの高水準かつ継続的な移民流入政策を支える論拠は、精査に耐えうるものではなくなっている。今こそ、この政策の根本的な見直しに踏み出す時期に来ている。

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