パナマ政府は7月3日、同国の代表団が2026年7月16日から18日まで中国を訪問すると発表した。今回の訪中では、中国とパナマの「海上輸送協定」の更新について協議するほか、最近、中国の港でパナマ船籍の船舶に対する検査や留め置きが相次いでいる問題についても話し合う。
パナマ外務省によると、中国共産党(中共)交通運輸部の国際合作司は、パナマ側からの訪問要請を受け入れた。訪中代表団はパナマ海事庁のルイス・ロケベルト長官が率い、技術チームとともに協議に臨む。双方は「海上輸送協定」の更新を進めるとともに、寄港国検査(PSC)について技術的な意見交換を行う予定である。
中国港でパナマ船籍船舶の留め置きが急増
パナマの有力紙の一つ「ラ・プレンサ」は6月末、アジア太平洋地域の寄港国検査に関する国際協力枠組み「東京MOU」の記録に基づき、6月25日までに中国の港で出港を差し止められたパナマ船籍の船舶が、累計470隻に上ったと報じた。
統計によると、中国の港でパナマ船籍船舶が留め置かれた件数は、今年第1四半期には月平均45.3隻だったが、第2四半期には月平均111.4隻に急増した。第1四半期のほぼ2.5倍に当たる。
パナマ海事商会は、中共によるこうした管理措置について、技術的根拠に基づき、客観性、透明性、非差別性を確保した形で実施されるべきだと指摘した。すべての船舶が平等に扱われる必要があるとしている。
「東京MOU」
「アジア・太平洋地域のポート・ステート・コントロールに関する覚書」は、通称「東京MOU」である。アジア太平洋各国・地域の海事当局で構成される政府間の国際協力枠組みで、港湾国監督を担っている。
PSCとは、外国船舶が加盟国の港に入港した際、港湾国が国際海事条約に基づき、船舶の航行安全、消防・救命設備、船員の資格、汚染防止基準などを検査する制度である。これらが国際海事機関(IMO)や国際労働機関の関連条約に適合しているかを確認し、重大な不備が見つかった場合には、是正を求めるほか、出港を差し止めることもできる。
中国とパナマはいずれも東京MOUの加盟国である。同組織は共通のPSCデータベースを持ち、各加盟国による検査、不備、出港停止などの記録はすべて登録される。アジア太平洋地域における最も権威ある海事監督統計の一つとされている。
米中のパナマ運河をめぐる対立が背景か
一部では、こうした中共の措置の背景に、米中間のパナマ運河をめぐる対立があるとの見方も出ている。
2026年1月29日夜、パナマ最高裁は、李嘉誠氏が率いる長江和記実業(CKハチソン)に対し、パナマ運河の両端にある二つの港の運営を認めた条項について、同国憲法に違反すると判断した。この裁定は、地政学的にも大きな影響を及ぼす可能性があると受け止められている。アメリカがパナマ運河への影響力を取り戻す可能性を高める一方、パナマにおける中共政権の影響力を弱めるものとみられている。
パナマのホセ・ラウル・ムリーノ大統領は2月23日、香港のCKハチソン傘下の子会社が運営する二つの港を、一時的に政府の管理下に置くよう命じた。
中共は、長江和記の港湾運営権をめぐるこの裁定に強く反対する姿勢を繰り返し示している。また、「必要なあらゆる措置を取り、中国企業の正当な権益を断固として守る」と表明している。
米連邦海事委員会のローラ・ディベラ委員長は3月末、「中共政権は現在、港湾国監督を名目に、中国の港でパナマ船籍の船舶に対する出港停止を大幅に増やしており、従来の水準を大きく上回っている」と述べた。
ディベラ氏は声明でさらに、「こうした強化検査は非公式な指示の下で行われており、その狙いは、CKハチソンの港湾資産の移譲をめぐり、パナマに圧力をかけることにあるように見える」と指摘した。
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