豪州 太平洋で「スポーツ外交」 中共の影響力拡大をけん制

2026/07/06
更新: 2026/07/06

オーストラリアのアルバニージー首相は、中国共産党(中共)による太平洋地域での影響力拡大を抑え込むため、スポーツ外交を積極的に進めている。オーストラリア当局者は6月5日、太平洋島しょ国の首脳3人が、安全保障協議のためオーストラリアを訪問すると明らかにした。協議は、同国で注目を集めるラグビーリーグの一大イベントに合わせて行われる。

AFP通信によると、パプアニューギニアのジェームズ・マラペ首相とトンガのファカファヌア首相は8日、オーストラリアに到着する予定だ。同日には、少なくとももう1人の太平洋島しょ国首脳も安全保障協議に出席する見通しだ。

アルバニージー氏は8日、太平洋島しょ国の首脳らとともに、クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州が対戦するラグビーリーグの「ステート・オブ・オリジン」最終戦を観戦する。同日、オーストラリアはパプアニューギニアと防衛同盟協定に正式に署名する予定だ。

オーストラリアは、パプアニューギニアのチームが2028年からラグビーリーグ大会に参加できるよう、6億豪ドル、約4億1700万米ドルの資金提供を約束している。スポーツを通じて、両国の安全保障面での結びつきを強める狙いがある。

アルバニージー氏は5日の声明で、「オーストラリアで最も人気のあるスポーツの一つを通じて、われわれは太平洋地域の仲間との結びつきをさらに深めている」と述べた。

オーストラリア当局者らは非公式に、オーストラリアと太平洋島しょ国の選手はラグビーリーグ、ラグビーユニオンの双方で大きな成果を上げている一方、中国にはラグビーの伝統がないため、こうした競技はオーストラリアが中国に対してソフトパワー面で優位に立つ手段になると説明している。

オーストラリアは現在、太平洋島しょ国との結びつきを強めようと、関与を一段と深めている。狙いは、中共が同地域に恒久的な安全保障拠点を設けるのを阻止することにある。アルバニージー氏は6日、フィジーで安全保障と経済に関する条約に署名する見通しで、7日にはソロモン諸島を訪問する予定だ。

一方、中共にとっては逆風も吹いている。ソロモン諸島の新政権は、中共の警察が戦略上重要な同諸島で活動することを認める秘密安全保障協定について、再検討する方針を示している。

6月29日、オーストラリアは太平洋島しょ国バヌアツと、経済・安全保障に関する包括的な協定に署名した。バヌアツは、自国領内に外国の軍事基地を設置することを認めないと約束した。

中共海軍はこれまで何度もバヌアツの港に寄港しており、中国側は同国の港湾施設の拡張工事にも資金を提供してきた。このため、オーストラリアとアメリカの間では、中国がバヌアツに海軍基地を設けようとしているのではないかとの懸念が強まっている。

オーストラリアとバヌアツが新たに署名した安全保障協定では、バヌアツの重要インフラに対する第三国の投資について、軍事基地の建設を含む案件ではオーストラリアとの協議を必要としている。これを受け、中共はオーストラリアに対し、「地政学的なゲーム」をしないよう警告した。

張婷