パナマ大統領 中共の脅しを非難

2026/02/06
更新: 2026/02/06

パナマのホセ・ラウル・ムリーノ大統領は、香港を拠点とするCKハチソン・ホールディングスにパナマ運河関連港の運営を認めていた契約を無効とした自国最高裁の判断を尊重する考えを示した。

ムリーノ大統領は、中米のパナマが司法判断に従えば「重大な代償」を払うことになるとする中共側の警告を退け「パナマは尊厳ある国家であり、地球上のいかなる国からの脅しも受け入れない」と2月5日の記者会見で述べた。

ムリーノ大統領は、2つの港湾の運営権について、今後「単一企業に再び付与することはない」と表明した。

パナマ最高裁は1月29日、香港のCKハチソン・ホールディングスにパナマ運河の両端に位置する2つの港の運営を認めていた契約を無効とした。

この司法判断は、世界貿易の要衝である同水路に対する中国共産党の影響力を抑えようとしてきたドナルド・トランプ米大統領の政権にとって追い風と受け止められた。

マルコ・ルビオ米国務長官はこの判断を歓迎する前向きな一歩と評価した一方、中共外務省と香港政府は強く反発した。

中共政府の機関である香港マカオ事務弁公室は2月3日、中国のSNS「微信(ウィーチャット)」に掲載した論評で、パナマ当局は「情勢を認識し」「方針を改める」べきだと警告し、現状を続ければ「政治的にも経済的にも重大な代償を払うことになる」と主張した。

ムリーノ大統領は記者団に対し、中共が統制する経済とパナマの民主的制度との大きな違いを強調し、最高裁の判断は最終的なものであり、実行されなければならないと述べ、中国側の警告に対し政府として「適切な対応」を取ると述べた数時間後にこれらの発言を行った。

ムリーノ大統領は2月4日、自身のXへの投稿で「パナマは法の支配に基づく国家であり、中央政府から独立した司法の判断を尊重する」と記し、中共政府からの警告に関して外務省が正式声明を出すと明らかにした。

仲裁

CKハチソンは2月4日、子会社パナマ・ポーツが国際商業会議所(ICC)の規則に基づきパナマを相手取って仲裁手続きを開始したと発表した。

CKハチソンが90%を保有するパナマ・ポーツは、1990年代からパナマ運河の太平洋側と大西洋側の主要ターミナルであるバルボア港とクリストバル港を運営しており、2021年には25年間のコンセッション契約を更新していた。

2026年1月30日に撮影されたパナマ市のバルボア港の航空写真(Martine Bernetti/AFP via Getty Images)

 

パナマ最高裁は1月29日、パナマ・ポーツがバルボア港およびクリストバル港を運営している契約条件は憲法に違反すると判断した。

CKハチソンは、子会社が、パナマ裁判所の判断および同社の港湾運営に関するパナマ政府の関連措置は「関連する法的枠組みおよびコンセッション契約を承認した法律と整合しない」との助言を受けたと説明した。

CKハチソンは香港証券取引所への届け出で「当社グループは引き続き法律顧問と協議し、本件に関し国内外の追加的な法的手続きへの訴求を含むあらゆる権利を留保する」と述べている。

仲裁がどのような影響を及ぼすのか、また手続きがどれほどの期間続くのかは現時点で不明である。

パナマ運河の2港は、CKハチソンが世界23か国43港にまたがる港湾資産をブラックロック主導のコンソーシアムに売却する契約の中核を成している。

2025年3月に228億ドルの取引が公表された直後、中国の最高市場監督機関はこの取引を審査すると発表し、中国国営メディアもCKハチソンを批判する記事を相次いで掲載した。

中共政府からの圧力を受け、香港を拠点とする同社は2025年7月、本土の「主要な戦略的投資家」をコンソーシアムの「重要な構成員」として迎え入れる計画を明らかにした。

2月5日の中共政府での記者会見で、CKハチソンの仲裁手続き開始について質問を受けた中共外務省の林剣報道官は、中共は中国企業の正当な権益を「断固として守る」と述べた。

林剣報道官は、ブルームバーグが、中国が中国共産党のより広範な報復措置の一環として、国有企業に対しパナマでの新規プロジェクトに関する協議を停止するよう指示していると報じた件についても質問を受けた。

同報道は事情に詳しい関係者の話として、北京の決定が数十億ドル規模の潜在的投資を頓挫させる可能性があるとしている。

林剣報道官は報道の内容を肯定も否定もせず、パナマの一部港湾に関する中国の立場は「明確だ」と述べた。

デンマークの海運大手マースク傘下のAPMターミナルズは先週、パナマ政府の要請に応じ、運河の2港を一時的に運営する用意があると確認した。

APMターミナルズは1月30日の声明で「地域および世界貿易に不可欠なサービスに影響を及ぼす可能性のあるリスクを軽減し、パナマの物流ハブを支援することを目的とする」と説明した。

本報道にはロイターが協力した。