タイ一帯一路工事中 クレーン倒壊 列車に衝突 死者32人 

2026/01/15
更新: 2026/01/15

14日、タイの「一帯一路」関連の高速鉄道工事現場で、クレーンが倒壊して走行中の旅客列に衝突する重大事故が発生し、同日午後までに少なくとも32人が死亡、64人が負傷した。

事故が起きた高速鉄道プロジェクトでは、土木設計および技術コンサルティング業務を中国国有企業の技術チームが担当していたとされる。

バンコク・ポスト紙によると、事故はバンコク北東約230キロのナコンラチャシマ県シキウ郡で、午前9時13分ごろに発生した。施工中のクレーンが突然倒れ、走行中の車両に衝突したことで列車が脱線した。一時的に火災が発生したが、現在は鎮火している。

同国メディアが公開した写真では、現場で最初に白煙が上がり、その後黒煙に変わり、クレーンが2本のコンクリート支柱の間から倒れ込んでいる様子が確認できる。現場での救助活動の様子を撮影した複数の映像もネット上で拡散している。地元報道によると、乗客の多くは学生や通勤客だったという。

中国・タイ高速鉄道(バンコク―ノンカイ線)は、ラオス経由で中国の鉄道網と接続することを目的にタイ政府が推進する重点プロジェクトで、2014年に協力が開始されて以降、10年以上にわたり遅延が続いてきた。当初は2021年の開業を目指していたが、2026年、2027年、2028年とたびたび延期され、現在は第1期区間を2028年に開業、全線の開業は2030年を目処としている。

AFP通信は、この高速鉄道プロジェクトが中国の投資によって建設されていると報じた。

中国共産党(中共)外務省の毛寧報道官は同日の記者会見で、事故原因は調査中としたうえで、「現時点では当該工区はタイ企業が施工している」と述べた。

独立系メディア「タイ人民」によると、この高速鉄道工事は複数の業者が請け負っている。公式サイトの情報では、事故が起きた37.45キロの区間はイタリアン・タイ・デベロップメント社がが手掛けており、土木設計および技術コンサルティングは中国鉄路国際と中国鉄路設計集団による技術チームが担っていた。

BBCによれば、イタリアン・タイ・デベロップメント社はタイの建設最大手の一つで、昨年3月のミャンマー大地震の際にバンコクで唯一倒壊した国家会計検査院ビルの施工も担当していたが、同社は現時点で本件についてコメントしていない。

今回の事故は、中共が関わるタイの建設事業で起きた2度目の重大事故となる。前回は2025年3月28日、中国中鉄第十局が施工中のタイ国家会計検査院の33階建て庁舎が突然倒壊し、少なくとも95人が死亡、9人が負傷、1人が行方不明となっている。