ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)は、連邦政府機関に対して大規模な人員削減計画の準備を求めた。これは、従来の一時帰休という対応とは異なり、政策の大きな転換と見なされている。
米政治専門メディア「ポリティコ」によると、ホワイトハウスは9月24日夜、各機関に向けて覚書を発出し、10月1日以降「裁量的資金」を失い、かつ代替財源のない計画・プロジェクト・活動の特定を指示した。それに関連する分野について、OMBは各機関に対し、人員再編成計画の策定を始め、該当する職を「人員削減計画」に組み込むよう命じた。
政府閉鎖に伴う恒久的な人員削減の可能性
現OMB局長ラッセル・ヴォート氏は、強制的な予算措置や他の資金源のない事業は、廃止または縮小の対象になり得ると述べた。過去の政府閉鎖では、対象職員は一時的な帰休にとどまっていたが、今回の覚書では、特定の職が恒久的に廃止される可能性が示唆されている。
覚書はまた、これまで例外とされていた、あるいは政府閉鎖時にも通常は影響を受けなかった職種に関しても、事前に職員へ通知し、削減案を提出するよう求めている。
ただし、社会保障、メディケア、退役軍人福祉、軍事作戦、法執行機関、移民・関税執行局、税関・国境警備局、航空管制といった中核的機能に関連する職種は、今回の措置の対象外とされている。
文書では同時に、もし議会が政府閉鎖を回避した場合、これらの措置は実行されないことも明記されている。
議会の行き詰まりと政治的駆け引き
現在、議会では連邦予算をめぐり対立が続いている。下院では、政府資金を11月21日まで延長するための暫定予算案が可決されたが、上院では民主党がこれを阻止している。民主党は、共和党が「オバマケア」といった補助金などを含む包括的合意に応じることを求めている。
ドナルド・トランプ大統領は、9月23日、民主党トップとの会談を中止すると発表し、民主党が「政府閉鎖を人質に左派のアジェンダを推進しようとしている」と非難した。トランプ氏は、「民主党が誠意を示さない限り、会談には応じない」と強調した。
一方、民主党トップはホワイトハウスの対応を強く非難している。上院少数党院内総務チャック・シューマー氏は声明で、ホワイトハウスのリストラ計画は「脅迫行為」だと批判し、最終的には司法によって無効化されるか、政府が解雇された職員の再雇用を迫られる可能性が高いと述べた。
下院少数党院内総務ハキーム・ジェフリーズ氏も、SNS「X(旧Twitter)」上で「我々は大量解雇の脅しには屈しない」と投稿し、反発の姿勢を示した。
もし議会が9月30日の会計年度末までに予算案を可決できなければ、10月1日から一部の政府機関が業務停止に追い込まれることになる。
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