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日本「タリスマン・セイバー2025」で対艦・防空能力を実演 中国の脅威高まる中で実戦能力披露

2025/07/25
更新: 2025/07/25

中国共産党(中共)による軍事的脅威が高まる中、アメリカの西太平洋地域における重要な同盟国である日本は、オーストラリアで実施された多国間共同演習「タリスマン・セイバー2025」の実弾訓練に参加した。本訓練では、敵艦の撃沈や防空といった実戦的能力を披露した。

「ニューズウィーク」7月23日付の報道によれば、今回の実弾演習は「タリスマン・セイバー2025」演習の一環であり、アメリカやインド太平洋地域、北米、欧州から計18か国が参加している。演習の主目的は、地域の安全と安定を維持する能力の強化と検証にある。

近年、中共は西太平洋における軍事的拡張を加速させており、アメリカおよび同地域の同盟国は警戒感を強めている。中共側は日本本土や在日米軍基地を標的とする大規模なミサイル施設をすでに整備している。

日本は、米国による西太平洋地域での中国の「島鎖戦略(アイランドチェーン戦略)」を抑止する上で不可欠な存在である。その要となるのは、堅固な軍事防衛力の整備である。このため、日本は対艦兵器の近代化や、ミサイル迎撃能力を備えた新型軍艦の導入を継続している。

「タリスマン・セイバー2025」演習では、これまで2度にわたり対艦ミサイルの実弾射撃訓練が行われており、その中には米国の陸上配備型ミサイルシステムによる海上目標攻撃も含まれている。

オーストラリア軍が7月22日に公開した写真によると、日本の陸上自衛隊はニューサウスウェールズ州ビークロフト射撃場で実弾対水上戦闘を実施し、12式対艦ミサイル2発を車載発射機から発射した。両ミサイルは異なる軌道を描き、ジャービス湾沖合約30キロメートルに設置された洋上に浮標した標的に向かい、オーストラリア陸軍のダミアン・ヒル准将によれば、同時に標的に命中したという。

日本の12式対艦ミサイルは、約200キロメートル離れた海上目標への命中能力を持つ。軍事専門メディア「Naval News」によると、改良型ミサイルは外形デザインが刷新され、最大射程は少なくとも880キロメートル、最長では1190キロメートルに達する可能性があるとのことだ。

公開映像によれば、対艦ミサイル訓練に先立ち、7月14日には陸上自衛隊の03式中距離地対空ミサイルシステムがオーストラリア北東部クイーンズランド州ショールウォーター湾の演習場で発射実験を実施した。

日本の防衛省は、「巡航ミサイル等の脅威に対する防空射撃訓練を通じ、射撃能力の向上と、米国・オーストラリアを含む参加国との連携強化を目指す」とコメントしている。

03式地対空ミサイルは地上配備型の防空システムであり、射程は約50キロメートル。巡航ミサイルのほか、戦闘機やヘリコプターの迎撃も可能である。

米陸軍太平洋軍副司令官のジョエル・B・ヴォウェル中将も7月13日の声明で「部隊間での演習や共同訓練、調整を通じて、陸軍・海軍・空軍・宇宙・サイバー部隊の即応体制を強化する」と強調している。

日本の2025年版『防衛白書』では、「中国(中共)は防衛費を急速に増加させ、質・量ともに全面的かつ迅速に軍事力を向上させている。また、尖閣諸島周辺の東シナ海や太平洋での活動もますます強化している」と警鐘を鳴らしている。

なお、「タリスマン・セイバー2025」演習は7月13日に開始され、8月4日まで続く予定で、期間中に追加で実弾演習が実施されるかは今のところ未定である。

吴畏