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トランプ大統領 軍制服組トップを解任 後任にケイン空軍中将

2025/02/22
更新: 2025/02/22

トランプ大統領は、ブラウン統合参謀本部議長を解任し、後任にケイン空軍中将を指名した。さらに5人の軍高官も交代予定だ。

21日の夜、トランプ大統領は自身のトゥルース・ソーシャルで、ブラウン氏の功績を称えた。

「チャールズ“CQ”ブラウン大将に、40年以上にわたる国への貢献、そして統合参謀本部議長としての尽力に心から感謝する。彼は立派な紳士であり、優れたリーダーです。彼と家族のこれからの幸せを願っている」

後任にケイン空軍中将を指名

トランプ氏は後任としてケイン空軍中将を指名し、「ケイン中将は経験豊富なパイロットであり、国家安全保障の専門家であり、成功した起業家、そして軍や政府の複数の機関と特殊作戦の豊富な経験を持つ『戦士』だ」と評価した。

さらに、ピート・ヘグセス国防長官に対し、5つの重要ポストの適任者を指名するよう指示したことも明らかにした。

ケイン中将は、米軍制服組のトップとなり、大統領、国防長官、国家安全保障会議(NSC)の主要な軍事顧問を務めることになる。

ヘグセス国防長官は、「ケイン中将は『戦士の精神』を体現する人物であり、今こそ彼のようなリーダーが必要だ」と評価した。また、ブラウン氏については、「彼は思慮深い助言者であり、その卓越した功績に敬意を表する」と述べ、これまでの貢献を称えた。

海軍・空軍の指導者も交代へ

ヘグセス長官は、海軍作戦部長と空軍副参謀総長の後任候補を指名するよう要請しており、リサ・フランチェッティ海軍作戦部長とジェームズ・スライフ空軍副参謀総長が交代する見込みとなっている。ヘグセス長官は、「トランプ政権は新たな指導者を任命し、軍の本来の使命である『戦う・勝つ』に集中させる」と強調し、軍の指導体制の再構築を進める姿勢を示した。

ケイン中将の経歴

ケイン中将は、2021年11月にCIA(中央情報局)で軍事担当副長官に就任。その後、国防総省の特殊プログラムおよび特別アクセスプログラム(SAP)中央オフィスの責任者を務め、国防長官の直轄スタッフとして活動した。また、F-16戦闘機パイロット、兵器将校、ホワイトハウススタッフ、特殊作戦士官としても活躍した経験を持つ。

さらに、「ハリケーン・カトリーナの教訓報告書」や「国家防衛戦略」などの重要報告書の作成にも関与した。

「国家安全保障戦略」では、「アメリカの強さは科学技術の優位性から生まれる。この優位性を活かし、国を守るために革新的な研究を進めるべきだ」と提言している。

政治家の反応

今回の人事について、野党側からは批判の声も上がっている。エリザベス・ウォーレン上院議員は、Xに「ブラウン大将やフランチェッティ大将の解任は、軍人への裏切りだ。これは国家安全保障のリスクを高める」と投稿し、トランプ政権の決定を非難した。

また、ジェイソン・クロウ下院議員も、「国防総省での幹部解任が続いているが、最も懸念しているのは軍法務官の解任だ」と指摘し、「JAG将校(軍法務官)は司令官に法律を解釈し、軍の行動の合法性を判断する重要な役割を担っている」として、トランプ政権の意図に疑問を投げかけた。

一方、トランプ政権の元高官からは肯定的な意見も聞かれる。ロバート・グリーンウェイ元大統領副補佐官は、Xに「私はケインを40年来知っているが、これほど統合参謀本部議長にふさわしい人物はいない。トランプ大統領の人材を見抜く目は確かだ」と投稿し、ケイン中将の指名を称賛した。

ブラウン前議長の経歴

ブラウン大将は、2023年10月1日に統合参謀本部議長に就任。それ以前は、米空軍参謀総長(第22代)を務め、アメリカ中央軍空軍司令官および太平洋空軍司令官を歴任した。

今回の解任を受け、トランプ政権の軍指導部の大規模刷新が進む中、今後の国防政策の行方が注目される。

エポックタイムズの記者。カリフォルニアのニュースを担当。2018年の移民キャラバン危機の際には編集者として米国とメキシコの国境の現場を報道。