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トランプ大統領 中国の投資を規制する大統領令に署名

2025/02/22
更新: 2025/02/22

トランプ米大統領は21日、中国の米国投資に関連する国家安全保障上の脅威に対処する大統領令に署名した。中国を含む敵対的な外国勢力による米国の資本、技術、ノウハウの悪用を防ぐことを目的としている。

外国投資委員会の権限を強化

今回の大統領令では、対米外国投資委員会(CFIUS)の権限を強化する一連の措置が導入された。CFIUSは、外国資本による米国企業の買収が国家安全保障に及ぼす影響を審査する機関である。

規制強化の対象となるのは、技術、重要インフラ、医療、農業、エネルギー、天然資源といった分野への中国からの投資だ。

ファクトシートには、「米国は、中国を含む敵対的な外国勢力による資本・技術・知識の搾取を制限する新たなルールを確立し、米国の利益に資する投資のみを許可する」と記されている。

また、今回の措置により、機密施設周辺の農地や不動産への外国投資も規制される。CFIUSの権限が拡大し、新規投資(グリーンフィールド投資)も審査対象となる。中国やその他の敵対国による米国の人材や機密技術事業へのアクセスを制限することをも目的としている。

ホワイトハウスによると、外国企業および個人が所有する米国の農地は約4300万エーカー(全米の土地の約2%)に達しており、そのうち中国は27州で35万エーカー以上を所有している。

対中投資の制限

今回の措置では、中国への米国の対中投資に対する制限も強化される。特に、半導体、AI、量子技術、バイオテクノロジー、航空宇宙などの分野における投資が規制の対象となる予定だ。

この措置は、米国の投資家が中国共産党の「軍民融合戦略(Military-Civil Fusion)」を支援することを防ぐ狙いがある。

米国政府は、外国企業の審査を厳格化する方針も示している。主な対策として、以下の措置が含まれる。

  • 米国の証券取引所に上場する外国企業の監査強化
  • 企業の所有実態の調査
  • 詐欺や不正行為の有無を調査し、米国年金基金を保護

同盟国からの投資を促進

一方で、今回の措置は中国の投資を制限する一方、米国の同盟国・友好国からの投資を促進することも目的としている。

ファクトシートによると、「指定された同盟国およびパートナー」からの投資を迅速に審査する「ファストトラック(迅速審査)」プロセスが導入される。

さらに、政府は過度に官僚的で複雑な手続きを避け、政府のリソースを同盟国からの投資促進に優先的に活用する方針を打ち出した。

今回の動きは、最近発生した中国のハッカー集団による米財務省(CFIUS事務局)へのサイバー攻撃を受けたものでもある。

 

Emel Akan
エポックタイムズのホワイトハウス上級特派員、トランプ政権担当記者。 バイデン前政権とトランプ第一次政権時は経済政策を担当。以前はJPモルガンの金融部門に勤務。ジョージタウン大学で経営学の修士号を取得している。