不発弾が宮崎空港で爆発 那覇空港でも頻繁に発見 – 空港の安全対策とは

2024/10/04
更新: 2024/10/04

戦時中の遺物が今も、日本の空港の安全を脅かしている。特に宮崎空港那覇空港では、不発弾の発見が相次いでおり、航空機の運航に与える影響が問題となっている。宮崎空港での不発弾爆発事故を契機に、国土交通省は全国の空港の安全措置を再検討している。

10月2日、宮崎空港の一角で予期せぬ事態が発生した。戦時中にアメリカ軍が投下したとされる250キロの不発弾が突然爆発し、誘導路の地下約1メートルの位置で大きな穴を開けた。この事故が発生した際、93人を乗せた日本航空の旅客機が誘導路を通過しており、タイミングが数分違っていたら甚大な被害につながっていた可能性がある。

事故の影響で、宮崎空港の滑走路は即座に閉鎖され、80便以上の航空便が欠航となった。

事故発生後、自衛隊の専門部隊が安全確認を行い、発生した穴は2日夜までに埋め戻された。翌日の朝からはほぼ通常通りの運航が再開されたが、この事故は空港周辺地域の歴史的背景と、現代の安全管理の重要性を改めて浮き彫りにした。

今後の対策

那覇空港においても、不発弾の問題は顕著だ。同空港は宮崎空港と同じく、戦時中は旧日本海軍の飛行場として使用されていた。今年に入り、9月末までに不発弾や類似の物体が合計8つ発見されている。これらの発見は主に滑走路脇の地中であり、1つはアメリカ製の「5インチロケット弾」と確認された。これらの不発弾はいずれも即時爆発の危険性はなく、陸上自衛隊が安全に処理している。

このような事例は、那覇空港、宮崎空港だけでなく、過去の戦争が今日の日本社会にどのように影響を与えているかを示している。国土交通省は、この問題に対処するために、緊急探査を実施すると発表した。まず、宮崎空港では、事故が発生した誘導路や「滑走路のショルダー部分(航空機の安全な運航を確保するために設けられる滑走路の端部の部分)」を中心に探査が行われることになった。また、過去に不発弾が見つかった仙台、福岡、那覇の各空港でも再探査が順次進められる予定だ。

地方管理の空港についても、自治体側に検討を委ねる形で、国側で先行した緊急探査のノウハウを活用する方策が取られるという。これにより、未発見の不発弾がさらに見つかる可能性があるため、全国の空港安全のより一層の強化が期待される。

斉藤鉄夫国土交通大臣は、不発弾問題が航空機運航の安全に重大な影響を及ぼしかねないと述べ、迅速な対応の重要性を強調している。今後も国土交通省は、空港の安全確保という責務を果たすために、全力を尽くす方針だ。戦争の遺物が現代にもたらす課題に、今後も注目が集まってゆく。