アメリカで中共の指示を受け法輪功迫害に加担 親中の華僑リーダーが罪状を認める

2024/07/31
更新: 2024/07/31

国際社会は、中国共産党(中共)の海外での影響力拡大に対して、ますます警戒を強めている。最近、アメリカ政府は中共代理人に対する取り締まりを強化しており、ニューヨーク南部地区連邦裁判所で、まずは中共を支持するアメリカ華僑リーダー2人が罪を認めた。

2人は中共の指示に従い、アメリカ国内で法輪功を抑圧し、迫害していたことを認めている。

2023年に罪を認めて逮捕された2人は、親中派のアメリカ華僑リーダー、71歳の陳軍と、45歳でグリーンカード保持者の中国国籍の林峰だ。7月24日と25日にそれぞれニューヨーク南部地方裁判所で、外国代理人として活動し、アメリカ公務員に賄賂を提供した罪を認めた。

これらの罪に対する最高刑は、25万ドル(約3800万円)の罰金と3年間の保護観察付き自宅軟禁だ。

検察は以前、二人に対して以下の複数の罪を告発した。

1)未登録の外国代理人として公務員に賄賂を提供することを共謀した罪

2)外国代理人として活動しつつ、その事実を法務省に事前報告していなかった罪

3)公務員に賄賂を提供した罪

4)国際的な資金洗浄に関与する共謀の罪

もし全ての罪が認められた場合、最大で50年の懲役刑が科される可能性がある。この2人は、今年後半に量刑が決定する予定だ。

起訴状によれば、2023年1月に陳軍と林峰は、中共の指示を受け、法輪功の学習者が管理する組織の税免除ステータスを無効にしようと画策し、アメリカの国税局に影響を及ぼそうとした。

仲介者を通じて、陳軍は「国税局の職員」と名乗る人物を見つけ、5万ドル(約750万円)と告発による報奨金の60%を支払うことを約束し、国税局が法輪功の組織を調査するよう依頼した。しかし、彼が知らなかったことは、その「国税局の職員」が、実は、連邦捜査官による偽装だったということだ。

潜入捜査官は陳軍との会話を何度も記録しており、その中の一つの録音で、陳軍は上司である中共の官僚を「本当の兄弟のようだ」と表現していた。また別の録音では、陳軍は賄賂の支払いが中共の政策であり、「法輪功の打倒」を達成するためであり、これらの賄賂は中共によって計画され、資金提供されていることを明確に述べている。

2023年5月14日および18日に、陳軍と林峰は職員に対して合計5千ドル(約75万円)の現金を賄賂の手付金として支払った。26日には、両名はそれぞれの自宅で逮捕された。

林峰は以前の調査で、陳軍と共にニューヨーク州オレンジ郡に住む法輪功学習者の情報を監視し、収集していたことを認めた。彼らの目的は、法輪功の活動に対して環境訴訟を起こし、その発展を妨げることだ。

報道によると、陳軍は中共軍出身で、過去には天津市政府の海外代表を務めていた。1980年代の終わりに「六四天安門事件」を理由にアメリカに留まり、その後市民権を取得して、中共の統一戦線工作に積極的に関わり、ロサンゼルスの華僑社会で、リーダー的存在となっている。

林峰はかつて、中国の元自転車競技の国家代表選手で、2013年にロサンゼルスへ移住した。2015年にグリーンカードを取得してからは、アメリカと中国を頻繁に行き来している。

続いて、米司法省はフロリダ州に住む中共代理人である李平を逮捕した。彼は、法輪功に関する情報をアメリカで収集し、犯罪を共謀し、登録されていない中共代理人として活動していた罪で告発されている。

中国系男性の李平は59歳で、アメリカ市民権を取得し、フロリダ州ウェスリー・チャペルに居住している。 

7月24日、李平は州の総検事や司法長官に通知することなく、中共代理人として活動していた疑いで米司法省から告発された。

李平は2012年から、中共に対し異議を申し立てる者、民主主義活動家、法輪功学習者、アメリカの非政府組織に関する情報を、中共の国家安全部に提供していた。彼は匿名のオンラインアカウントを通じて国家安全部と連絡を取り、中国を訪れて、国家安全部の職員と面会することもあった。

2012年8月、中共国家安全部の職員は、アメリカにいる法輪功学習者や民主活動家に関する情報を提供するように李平に対して要請した。この要請を受けた後、李平はフロリダ州セントピーターズバーグに住む法輪功学習者の氏名や経歴などの個人情報を国家安全部に提供した。

2015~2022年にかけて、李平は勤務先の企業から得た秘密情報を、複数回にわたって中共国家安全部に提供していた。提供した情報は、ネットワークセキュリティの研修資料やハッキング事件に関する詳細が含まれていた。

現在、FBIが事件を調査しており、フロリダ州の連邦検察官と国家安全保障省も起訴に加わっている。罪が立証されれば、李平は最大で15年の懲役刑を科されることになる。

 

中国政法大学の国際法修士、賴建平氏は「現在、アメリカだけでなく、多くの国々が、中共に対抗するための対策を講じている。中共は将来、国際社会での立場が厳しくなり、その影響力拡大の試みはますます効果を失うだろう」

「このように、民間に忍び込んだスパイのような連中が摘発されているが、これは国際社会が中共に対抗するための重要な手段となるだろう」と述べている。