新唐人第九回声楽大会 審査員が語る曲目と評価基準

2024/07/20
更新: 2024/07/20

新唐人テレビが主催する第九回「全世界華人クラシック声楽コンクール」は、2024年9月18日から21日まで、ニューヨーク市マンハッタンのカウフマン・ミュージック・センターで開催される。

今回の大会の審査員である神韻芸術団のソプラノ歌手、天麗さんにインタビューを行った。インタビューでは、今回の大会の趣旨、指定曲目の種類や特徴、そして審査基準について語られた。

純真・純善・純美な伝統文化を広める

新唐人テレビの「全世界華人クラシック声楽コンクール」の目的は、純真・純善・純美な正統声楽芸術を広め、世界中の才能ある華人声楽家が世界の舞台に立つ手助けをすることだという。「私たちは、心が清らかで、内面の豊かな選手を選び、この舞台で華人の風采を示したいと考えています」と天麗さんは語った。

他のクラシック声楽コンクールとは異なり、新唐人の華人クラシック声楽コンクールは中国の伝統文化を振興することを目的としている。「多くの華人選手は、心の中や本質的な部分で、中国の伝統文化に非常に近いものを持っています。」と天麗さんは紹介した。「選手たちの心に宿る中国の伝統文化の趣がこの舞台で表現されることで、他の人々にも中国の純真・純善・純美という5千年の文化の色彩を見てもらいたいです」

大会が提供する30曲、4つのカテゴリーについて

大会で提供される30曲の中国語の曲目は、次の4つのカテゴリーに分かれています:芸術歌曲、古曲、民族民間歌曲、そして神を讃える歌。天麗さんは、「選手がどのカテゴリーの曲を選んでも、そのカテゴリーの形式に合った演唱を行い、その曲のシーンにふさわしい演唱をする必要があります」と説明している。

天麗さんはこの4つのカテゴリーを紹介してくれた:

最初のカテゴリーは芸術歌曲だ。主に感情を表現するもので、愛情や親情などがテーマとなる。これらの曲はほとんどが美しい旋律を持ち、歌い手はその美しい旋律を歌い上げる必要がある。また、観客に何を表現しているのかを明確に伝えるために、発音をはっきりとさせることが求められる。

第二のカテゴリーは古曲。歌い手には起承転結が求められる。単に音程を高くしたり低くしたり、抑揚をつけたり装飾音を多用するだけでなく、歌い手の内面や心の中にあるものを表現し、中国古代の独特な韻味やリズムを伝える必要がある。

第三のカテゴリーは民族・民間歌曲です。このカテゴリーでは、その民族の文化的特徴を表現することが主な目的だ。彼らの生活環境や労働時の様子、民族の特徴、独特な音楽のリズムなどが含まれる。旋律もその民族の話し方や生活状態に近いものだ。スタイルをしっかりと把握し、その民族の音楽を独自の形で解釈することが求められる。

最後のカテゴリーは神聖な歌曲です。これは神を讃えるもので、荘厳で美しく歌う必要があり、真剣に取り組むべきものだ。もちろん、神に対する敬意を持つ人でなければ、この崇敬や美しいものへの憧れを表現することはできない。このカテゴリーを通じて、歌い手の心境や内面の状態も見て取れるのだ。

クラシック声楽と中国音楽の最大の違い

今回の大会の最大の見どころであり、選手にとって最も大きな挑戦は、クラシック唱法で中国語の歌曲を歌うことだ。

「クラシックの唱法で中国語の歌曲を歌うとなると、中国語の発音や中国独特の韻味を表現できるかが重要で、西洋風に歌ってはいけません」と天麗さんは言う。

中国の韻味には起承転結があり、特に古曲にその特徴が表れる。天麗さんは、「古曲を表現するには、起承転結が必要です。高揚する部分と静かな部分があり、この静かな部分は高揚する部分のための準備です」と説明する。

天麗さんはさらに、「西洋人の性格は率直で直接的です。一方、東洋人の性格は控えめで、内面的な教養を重視し、声にもそれが表れます。そのため、西洋人とは表現方法が異なります」と例を挙げる。

天麗さんは、「イタリア語には5つの母音しかありませんが、中国語には5つの母音だけでなく、多くの子音、濁音、清音があり、中国語は歌うのが簡単ではありません」と紹介し、「多くの観客が中国語の歌を歌うのが素晴らしいと思うのはこのためです。発音方法がイタリア語よりも複雑で、自然に発声できないと難しいのです」と話した。

大会の評価基準について

まず、天麗さんは最も基本的なこととして「発音をはっきりさせること」を挙げている。「今回の大会では字幕がありません。テレビ番組のように字幕があれば、何を歌っているのか、何を言っているのかが見てわかりますが、私たちは歌詞を明瞭に歌い、聞き取れるようにすることを求めています」

次に、旋律の美しさも重要だ。天麗さんは「作品の解釈の仕方は人それぞれ異なりますが、私たちは積極的で前向きな表現を好み、ネガティブな感情をあまり表現しないよう求めています」と説明している。

さらに、基本的な技術も評価される。天麗さんは「クラシック音楽は美しい歌声を意味しますから、声の美しさも評価基準の一つです」と述べている。

最後に、天麗さんが特に強調しているのは、声楽の世界では頭声を使って歌うことです。「評価基準として、口腔共鳴ではなく頭部共鳴の声を求めています」と天麗さんは言う。

どう準備すれば大会でより良いパフォーマンスができるか

天麗さんは、選手の文化的な背景と作品を表現する能力が重要だと述べている。彼女は、選手が中国の伝統文化をより深く理解し、中国文化の奥ゆかしさを感じ取ることを勧めている。これにより、より良い歌唱が可能になる。「西洋人は音楽の表現が直接的ですが、中国人は内面から外へと表現します」

さらに彼女は、「多くのアリアは歌うのは難しくないかもしれませんが、曲全体をしっかりと掌握するのは難しいです。選手の全体的なコンディションが重要です」と説明している。

中国には「相は心より生じる」という言葉がある。天麗さんは「心が清らかな人の声は、非常に澄んでいます」と述べています。「最も澄んだ声は子供の声のようであり、子供の声は非常に透き通っています」

天麗さんは、選手に個人の教養を高めるよう提案している。「音楽の唱法であろうと、人としての礼儀作法であろうと、自分自身の教養を高めることが重要です」これにより、「最も自然で、最も美しいのです。それは派手に飾る必要はなく、その人の心の底からの声なのです」

前回大会の参加者の感想と体験

新唐人テレビの大会総監督、ルーシー・ジョウさんは、新唐人の声楽コンクールではクラシック唱法で中国語の歌を歌うことは大会の独自の特徴であり、「新唐人が提供するこのプラットフォームは他にはなく、中国系声楽家に才能を披露する機会を与えています」と言う。

前回の第八回大会で古典詩の歌『幽兰操』を歌い、女性部門で銀賞を受賞した徐晶晶さんは、「北米で中国語の歌を歌う機会は非常に貴重です」と述べました。「クラシック音楽を学ぶ者にとって、中国語は数ある言語の中で最も難しく、最も技巧を要するものです。発音も非常に難しいです」彼女は、大会に参加するために、中国語の発音を特訓し、自信を持って参加できるようにしたと紹介した。

大会に参加することで、徐晶晶さんは中国の古典詩に対する理解を深め、「中国の伝統的な歌曲は非常に広範であり、内容も非常に深い」と感じた。「新唐人の大会は、音楽の細部に対する理解を深める良い機会を提供しています。これは本当に素晴らしいプラットフォームです」

イタリア、スペイン、ベルギーなどの国際大会で金賞を多数受賞している羅心汝さんも「オペラに慣れた歌手にとって、中国語の歌は非常に大きな挑戦です」と述べている。彼女は前回の大会で銅賞を受賞し、「この大会のおかげで、中国語の芸術歌曲の練習を再開し、その美しさを再発見しました。これは西洋の美学とは全く異なるので、とても良い機会だと思います」と語った。

ルーシー・ジョウさんは、今大会では神韻芸術団の歌手が審査員を務めることを特別に発表した。決勝は世界中でネット配信され、後日新唐人テレビで放送される予定だ。

応募の締め切りは2024年8月31日で、主催者によると現在応募が盛況とのこと。

大会の詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
https://vocal.ntdtv.com/

 

于麗麗