6月26日、アメリカ国務省は2023年の「宗教の自由に関する報告書」を公表した。報告書は、明慧ネットが報じた内容を引用し、2023年に法輪功の信者188人が迫害によって命を落としたと述べた。
同日、アメリカのブリンケン国務長官は記者会見で、宗教の自由を守ることは、人々の生命の基盤を守ることに他ならないと強調した。
元北京の法学教授である頼建平氏は大紀元に対して、報告書は中国共産党(中共)による法輪功への迫害が「特に深刻」であり、「さらに激しさを増している」ことを示していると述べた。
ブリンケン氏は、「アメリカはパートナーと協力し、世界中で宗教の自由を推進し続ける。信仰のために投獄された人々の解放を求めるために、我々は絶えず努力を重ねる。宗教の自由の保護に力を入れる。これは実際に、人間の命の最も基本的なものを保護することだ……」と述べた。
アメリカ信教自由担当特任大使ラシャド・フセイン氏は、今年は中共による法輪功への迫害が始まってから25年目にあたると発言した。
「私たちは、迫害に直面している信仰を持つ人々を支援するために、引き続き努力する」
中共による迫害を経験した中国南京市の法輪功学習者、張玉華氏を記者会見に招待した。フセイン大使は、張氏と彼女の中国にいる夫が受けている迫害を強調した。
法輪功学習者188人が迫害され死亡
アメリカ国務省の年次報告書は、明慧ネットの報道を引用して、2023年に「188人の法輪功学習者が迫害されて死亡した。また、755人の法輪功学習者が不当な判決を受け、3457人が逮捕され、2749人が嫌がらせを受けた。政治的にデリケートな出来事の際には、嫌がらせや逮捕が増加する」と指摘した。
報告書は昨年12月の明慧ネットの報道を引用し、「明慧ネットは、同年の迫害により死亡した法輪功学習者の数は188人で、その前の数年間にはさらに66人が死亡したことを確認した」と述べている。
「明慧ネットは、多くの死亡が拘留または監禁期間中に受けた拷問に関連している」と述べた。他の人は適切な医療を受けられなかったために死亡したと言っている。例えば、明慧ネットの報告書では、武漢市の法輪功学習者の宗明氏が昨年1月に死亡した。宗明氏は『再教育センター』に8か月間拘留された後に釈放されたが、釈放後は体が非常に弱く、話すのも困難な状態だった。宗氏は病院の職員に治療も拒否され、その後、死亡したとされている。
「明慧ネットによると、別の法輪功学習者、胡永秀氏は3月30日、湖北省武漢市の病院の外で、人々に法輪功を紹介したとして警察に逮捕された。同氏は6日後に勾留中に死亡した」
非政府組織によると、中共当局は法輪功学習者を大量に逮捕し続けている。明慧ネットによると、「中共当局が2023年に755人の法輪功学習者を投獄し(2022年は446人)、3457人を逮捕した。30の省と市で2749人に対し、自宅に突入し、拘束して洗脳施設に送り、仕事を剥奪し、その他の差別的な手段で嫌がらせをした」という。
「3月に開催された全国人民代表大会、および中国人民政治協商会議の年次会議、さらに5月13日の『世界法輪大法日』など、政治的に敏感な時期には、嫌がらせや逮捕の件数が増える」とされる。法輪功学習者は通常、法輪功の修煉に関連した活動の疑いで拷問を受けている。拘束されている学習者は、陳陽氏、曹志民氏、劉愛華氏、周徳勇氏、孟昭紅氏、孔慶平氏、侯利軍氏、徐那氏などが挙げられる。
報道によると、1999年から2014年まで投獄された法輪功学習者の汪志文氏は今も出国制限を受けており、中国からの出国は禁止されている。
報告書はまた、明慧ネットの報道として、「法輪功学習者は、逮捕中にしばしば警察から過剰な暴力を受け、一旦拘留されると、彼らは警察によって法輪功を放棄するよう強制される。迫害の実態を一般市民に知らせるために行った活動や他の学習者との交流を提供するよう強制され、拷問を受ける可能性が大である。
例えば、2月20日に江蘇省南京市の張覚氏は、街頭で法輪功の真相を人々に伝えていたために警察は逮捕した。警察は張覚氏を『虎の椅子』という拷問道具に縛り付け、強い光を目に照射し、一晩中眠らせずに尋問したという。
年次報告書はまた、法輪功学習者が中共による臓器収奪の標的にされているという関連報告や声明を引用している。
法学者 中共による法輪功への迫害が激化
元北京弁護士の頼建平氏は大紀元に対し、中共による法輪功への迫害は最も厳しく、さらに激化するだろうと語った。
同氏は、「中国で迫害されている宗教信者は、キリスト教徒や他宗教の信者だけでなく、法輪功学習者も含まれる。特に法輪功学習者は、中共にとって目のかたきである。したがって、中共による法輪功への迫害は、すべての宗教信者に対する迫害の中で最も深刻だ。法輪功は中共の宗教信仰弾圧の主要な標的となっている」そして「過去2年間における中共による法輪功への迫害は、例年よりもさらに厳しく、さらに狂気を帯びている」という。
頼建平氏は、法輪功学習者の張玉華氏が今回、国務院の信仰の自由に関する報告書発表の記者会見に招待したことについて、「これは中共による法輪功への迫害が特に深刻であることを証明しており、同時に、アメリカ政府も法輪功に対する保護を強化し続けていることを示している」と語った。
6月25日、アメリカ下院による「法輪功保護法案」が成立した。
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