かつて「精神病院の実態」と当局の悪行を実名で告発した中国江西省の女性・李宜雪さんが失踪した(あるいは失踪させられた)ことがわかった。
李さんはかつてSNSに公開した自撮り動画のなかで「中国共産党当局は精神病院を利用して正常な人々を迫害している」ことを実名で告発し、多くの支持を獲得していた。だが、今月23日以降、外部は彼女と連絡がとれなくなった。
「李さんが当局の口封じに遭ったのではないか」と懸念する声が広っている。
(「精神病院の実態」と「当局の悪行」を実名で告発した中国江西省の女性・李宜雪さん)
「精神病院に56日閉じ込められた」
李さんはかつてSNSに公開した自撮り動画のなかで次のように訴えていた。
「私は(2022年)4月22日、(私にわいせつを働いた補助警察官の)頼という人を告発した。頼を警察に通報した日の夜なか、私は警察署(「南昌市丁公路派出所」)によって『江西省精神病院』に無理やり入れられ、56日間閉じ込められた」
「病院の診断は、警察による私に関する話に基づいている。たとえ精神病など患っていなくても、警察は法を犯していない正常な市民を数か月も『消す』ことができる、もちろん家族の同意など無視してだ」
精神病院から出た後、李さんは自分を閉じ込めた精神病院を提訴した。「2022年12月に一審審理が始まったが、1年以上経っても判決が下りないのだ」という。
法律に頼れないのならばと、李さんはその後、SNSを通じて自身の権利擁護を始めた。
かつて自分を閉じ込めた江西省精神病院について、「そこには大勢の正常な人が収容されている。病院がそれら正常な人たちを拷問する手段は、恐れられたミャンマー北部の詐欺集団よりも残忍だ」と李さんは明かしていた。
中国の人権侵害を報告するサイト「民生観察」が今年3月に公開した中国の人権などに関する昨年度の報告書の中で「『被精神病』は中共当局が異見者や反体制派を迫害する主な手段である」と指摘している。
なお「被精神病」とは精神的疾患を患っていない正常な人間を「精神病だ」と断定してその自由を奪う中共当局のやりかたである。
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