[サンティアゴ 12日 ロイター] – 銅の強気相場は、世界的な供給難に加えエネルギー転換や人工知能(AI)技術を支える堅調な需要に後押しされ、少なくとも今後3年間は続くとみられている。チリの首都サンティアゴで15─17日に開催される「CRU世界銅会議」を控え、業界アナリストが見通しを示した。
銅は最も優れた電気伝導性を持つ金属の一つで、モーターやバッテリー、配線で使用されている。その需要は世界経済の健全性を示すバロメーターとして見られており「ドクターカッパー」とも呼ばれる。
資源商社トラフィグラによると、AIサーバーを動かすデータセンターには2030年までにさらに100万トンの銅が必要になる。電気自動車(EV)は内燃エンジンを搭載した自動車の4倍の銅が使用されており、新たな需要が期待されている。
シティのアナリスト、マクシミリアン・レイトン氏は「銅の今世紀2回目の長期にわたる強気相場が定着しつつある」と指摘。向こう3年間で需要が供給を100万トン上回るとして、「今後2─3年間は爆発的な価格上昇の可能性がある」とした。
このほど発表されたリポートの中では、銅価格が26年12月までに1トン=1万2000ドルに達すると予想。10日には14カ月ぶりの高値付近となる約9378ドルで取引されていた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。