長年に渡り不法移民問題に苦慮する米テキサス州のグレッグ・アボット知事は18日、同州に不法入国した移民を逮捕する広範な権限を州法執行機関に与え、地元の裁判官が移民に国外退去を命じることを認める国境警備法案に署名した。
法案成立により、国境から何百マイルも離れたテキサス州の警察官も含め、同州のすべての警察官が不法入国の疑いのある移民を拘留する権限を持つことになる。この法律は来年3月に施行される予定だ。
アボット氏は法案署名式で「バイデン氏の意図的な不作為によって、テキサスは自力で身を守るしかなくなった」と述べた。
この法案は先月、民主党議員の反対を押し切り、共和党が支配するテキサス州議会を通過した。
法律の専門家や移民の権利を擁護する団体は、移民を規制する米政府の管轄権に真っ向から反していると、この法案に反対の声を上げている。メキシコ政府も、家族分離や人種プロファイリングにつながると法案に懸念を表明した。
バイデン政権の国境開放政策を受けて、テキサス州は2021年から国境対策「ローンスター作戦」を実施している。アボット氏の15日付の声明によると、この対策のもと48万9500人以上の不法移民を拘束したほか、3万7500人以上の犯罪者を逮捕した。
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