中国の人権弁護士・高智晟(こう・ちせい)氏が行方不明になってから6年が経った。この件について、米国に亡命した盲目の人権活動家・陳光誠氏は米エポック・タイムズの取材に対し「中国共産党にとって、憲法も国際法もないに等しい」と指摘、「このような迫害は誰の身にも起こりうる」と警鐘を鳴らした。
高智晟氏は、中国の人権弁護士の草分け的存在だ。中国社会の不条理に抵抗し、声を上げられない一般庶民の味方として弁護席に立ち続けた。共産党当局に弾圧される法輪功学習者の弁護も引き受けた。
それゆえに、高智晟弁護士は中国共産党の迫害の標的とされ、違法な監禁や拷問を受けた。弁護士事務所も閉鎖に追い込まれた。
「中国共産党はルールを全く遵守しない。憲法も国際法も、法律はないに等しい」と陳光誠氏は指摘する。「共産党が考えるのは、ただただ権力を維持することだけだ。その目的を達成するためなら、どのような悪事も働くし、犯罪も犯す」
中国共産党の国家運営そのものが、西側諸国と大きく異なっており、政府そのものが巨大なマフィア組織のようだと陳光誠氏は語る。「法律を使って迫害することが無理だとわかれば、共産党は法律を超越して、マフィアのような手段で迫害を実行する」
中共によって失踪「させられた」高智晟氏はまさにその代表例だ。高氏は2005年以降、法輪功学習者に対する政府の弾圧は「違法である」として、中国の国家指導者に公開陳情書を三度にわたって送った。しかし2006年には「国家政権転覆扇動罪」に問われ、自宅監視及び刑務所での収監が続いた。その間、様々な拷問を受けたのだ。2017年釈放されると再び消息不明になった。現在は、中国の国家安全当局に拘束されているという。
陳光誠氏は、「共産党にとって、法律とは統治の道具であり、中国人を奴隷化する手段」にしかすぎず、中国共産党が掲げる「法治」とは、独裁政治を覆い隠すベールだと指摘した。
高智晟弁護士の境遇について、陳光誠氏は「共産主義独裁政権が存在する限り、このような迫害は、あなたにも、あなたの家族にも、あなたの子孫にも、いつでも訪れる可能性がある」と警鐘を鳴らした。そして、「すべての中国人は立ち上がり、高智晟氏と連帯する義務がある」と語った。
さらに「自由と正義を支持する国際社会の人々も、中国共産党政権にこれ以上希望を抱くべきではない。我々は今こそ力を合わせて、政権を終焉させるべきだ」と述べた。
陳光誠氏は「盲目の人権活動家」として広く世界に知られている。「一人っ子政策」の実施に際して、中国共産党が妊娠中絶や不妊手術を強制していることを告発し、投獄された。2012年に米国政府の保護を受け、妻子と共に渡米した。
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