米ニューヨークでは12日、世界法輪大法デーを祝うため、5千人の法輪功学習者がパレードを行った。心地よい音楽と勇壮な行進は観衆を惹きつけ、華やかな演出と煌びやかな衣装は見る者の心を楽しませた。
法輪功(ファールンゴン)は中国の伝統的な気功修煉法として、身体の健康だけではなく、心の向上も目指す。1992年に中国で伝え出されると国内外で人気を博し、最大1億人もの人々が学んだと推定されている。
しかし1999年、中国共産党は法輪功学習者を抹消するべく、突如として弾圧を命じた。法的根拠のないまま無実の人々を拘束し、拷問を加え、殺害した。多くの学習者が生きたまま臓器を摘出される「臓器狩り」の犠牲となった。
おぞましい人権侵害は、未だ続いている。しかし、残酷な迫害でもってしても法輪功学習者の意志を挫くことはできなかった。彼らは「真・善・忍」の教えを堅持し、世のため人のために活動を続けている。今や法輪功は世界100カ国以上で広まり、地域と民族を超えて受け入れられている。
濁流に抗う
パレードに参加した法輪功学習者の韓さんは実体験をもとに、「迫害するだけ逆効果だ」と指摘する。「抑圧が強ければ強いほど、人々はそこから抜け出そうとするのだ」。
1999年7月、韓さんは中国北部の太原市で大学の卒業を控えていた。ある日、国営メディアが突然24時間体制で法輪功に対する中傷報道を流し始めた。
当時、韓さんの親友や何人もの同級生は法輪功を習っていた。
韓さんがのちに結婚することとなる同級生は、信仰を捨てなかったことに対する懲罰として1年間投獄された。その友人は高校時代から心優しく、人と喧嘩せず、どんなことに遭遇しても人に優しく接していた。
「そのような人が悪いことをすることなどあり得るのだろうか」と 彼女は自問した。
同級生と再会したとき、韓さんは法輪功に関する質問を彼に浴びせた。「中国共産党がダメと言っているのに。どうしてあなたはそのようなこともわからないの」。
級友は淡々と、「真、善、忍」という法輪功の教えに基づいて良い人になろうとしただけだ、と答えた。そして、法輪功を習うことで身体的・精神的な健康を得た知り合いの名前を次々と挙げた。
韓さんに反論の余地がなかった。「本を読み、健康を維持するために身体を動かし、真、善、忍に従う人々を、一体どのような政党が弾圧するというのか」。
同級生は「濁流に抗っていたのだ」と韓さんは語った。そして、彼に対する尊敬の念がますます強まっていくのを感じた。
およそ1年後、韓さんは家族の反対を押し切り、同級生と結婚した。「彼は悪行のためではなく、信仰のために拘束された。良い人になろうと努力していた。善良な人になるのを許さないというのか」と家族に伝えたという。
自身の信念を諦めなかったため、新婚生活には常に警察が付き纏った。自宅や職場に頻繁に訪問するだけではなく、隣近所にも夫婦を監視するよう要求していた。
下の階に住む住人は引っ越しの際、警察から韓さん夫婦を監視するよう命じられたと打ち明けた。
「私はあなたたちを観察していましたが、気になることはありませんでした」と住人は語っていたことを、韓さんは思い出した。「あなたたちは礼儀正しくて、出入りで他の人に迷惑をかけず、私の家で物が壊れたときには常に修理を手伝ってくれました。警察がなぜあなた方を監視したいのかよくわかりません」。
韓さんによれば、それは精神的なプレッシャーを生み出すためだという。「ほら、皆が見ているぞ、と。普通に生活していても、常に憂鬱な気分にさせたいのです。それほど中国共産党は邪悪なのです」。
心の平静さを保つ
メットライフ生命の保険外交員として働いていたエリセオ・ダードンさんは、フラッシング地域の公園で法輪功学習者と出会ったことがきっかけとなり、2009年から法輪功を習い始めた。
エポックタイムズの取材に対し「私は今、真、善、忍を備えています。最高の気分です」と答えた。「自分が今行っていることに、人生の目標を見出すことができたのです」。
道路沿いでパレードを鑑賞していたメキシコ出身のクリスティーナ・ノラスコさんは、パレード参加者が中国の人権侵害を提起しているにもかかわらず、パレードそのものは非常に平静であることに心打たれたと語った。
「彼らは本当に勇敢だと思うし、平和な精神でやっているところが大好きです」と語った。 「彼らが今伝えているのは、まさに平和そのものだと思います」。
パレードを見て感動したというインド人観光客のPrafull JataleさんとKayaks Sudarshanさん。隊列に幾度となく手を振り、手を合わせて学習者たちにエールを送った。二人によると、インドでも多くの人々が法輪功を習っており、学校や街中でも法輪功の座禅を行っている人を見かけることがあるという。
観衆の一人として、カルメンさんも法輪功学習者に手を振った。そして「中国人が共産党から離れ、自由を獲得してほしい。真、善、忍は世界共通であり、中国における人権侵害に対して、世界は沈黙すべきではない」と訴えた。
昨年11月に渡米した翟徳雲さんは、もともと共産党の法輪功に対するプロパガンダを信じていたが、グレートファイアーウォールを突破するソフトを使うことで、情報検閲されていない情報を入手することができた。そのソフトは法輪功学習者が開発したものだった。
翟徳雲さんは法輪功学習者を「英雄」であると称えた。「中国共産党の邪悪な本性は、真実と慈悲を容認できないこと、そして、そのような人々からなる集団の存在を容認できないことにある」と取材に答えた。その上で、中国共産党政権はいつか「 歴史のゴミ箱に捨てられる」だろうと語った。
前出の韓さんは2016年、中国の警察の嫌がらせを断つ目的で米国に渡った。中国での生活を振り返り、「怖くて憂鬱でしたが、心には光がありました」と力を込めた。
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