外務省によれば、林芳正外相は4日、ブリンケン米国務長官と中国の弾頭ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)を含む近海に落下したこと等について意見交換した。同日、ウォン豪外相を加えた日米豪閣僚級戦略対話では、中国の軍事活動に対する深刻な懸念を表明。地域の平和と安定のため、日米豪で緊密に連携していくことで一致した。
林氏らは、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の外相会議のためカンボジアを訪問している。林氏はブリンケン氏との会話で、中国のミサイル発射は国際社会の平和と安定に深刻な影響を与え、日本の安全保障に関わる重大な問題であるとし、軍事訓練の即刻中止要求を含め中国側に強い抗議を行ったと述べた。
この直前に行われた日米豪外相による日米豪閣僚級戦略対話では、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、日米豪を含む様々な同盟国・同志国の枠組みで協力を効果的に進めていくことで一致した。
ペロシ米下院議長率いる議員団が台湾を訪問したことに強い反発を示す中国共産党は、4日から7日まで台湾周辺の海空域で軍事演習を実施するとしている。台湾国防部によると、中国は4日に11発の弾道ミサイルを発射した。日本の防衛省によれば、日本の排他的経済水域に5発着弾した。
5日午前、岸田文雄首相は首相公邸でペロシ氏と面会した。中国の軍事演習に対する懸念を共有し、台湾海峡の平和と安定の維持へ引き続き日米で協力していくことで一致した。
中国による弾道ミサイルを発射を受け、台湾総統府の張惇涵報道官は4日、英文総統は全ての状況を把握していると述べ、「軍事的脅威を高め、インド太平洋地域の平和と安定を破壊した」と中国を批判した。また、与野党に向け「民主主義のパートナーと共に中国の一方的で非理性的な軍事行動を停止させよう」と協働を呼び掛けた。
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