[29日 ロイター] – 訪米中の林芳正外相は29日午後、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で講演し、アジア大洋地域における力の均衡を維持するため、「日本がより大きな役割を果たす」と表明した。5年以内に防衛力を抜本的に強化し、裏付けとなる防衛費を確保することを改めて確約した。
林外相は「地域の戦略バランスは日米に厳しいものになりつつある」と説明。東シナ海や南シナ海で一方的な現状変更の試みが継続しているほか、台湾海峡の平和と安定が重要と指摘した。
その上で林外相は「中国が国際社会のルールにのっとり、地域の安定や開発金融などの国際的課題において大国としての責任を果たすよう、日本として主張すべきは主張していく」と語った。
また、ウクライナに侵攻したロシアが中国と軍事的な連携を深めているとし、「安全保障上の懸念となりつつあるといっても過言ではない」と述べた。
林外相は、日本が提唱した「自由で開かれたアジア太平洋(FOIP)」構想を強化するため、来春までに「平和のためのFOIPプラン」を策定する考えを明らかにした。
講演後の質疑応答では、来週カンボジアで開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の閣僚会議で中国の王毅外相と会談する機会があると信じていると語った。
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