米ボストン、中国製地下鉄車両が故障 過去も複数回

2022/05/20
更新: 2022/05/20

米マサチューセッツ州ボストン地下鉄オレンジライン」で19日、中国国有鉄道車両メーカー、中国中車CRRC)が製造した車両が故障したため、州交通当局はオレンジラインのすべての新車両の運行を停止し、原因究明を指示した。

州の公共交通機関を管轄するマサチューセッツ湾交通局(MBTA)は同日、ツイッターを更新し、「ブレーキ制動ユニットに故障が起きた」と発表した。故障によるケガ人はいないという。

地元メディア「WCVB」によると、MBTAはオレンジラインにCRRC製の車両64両を投入した。また、ボストンの地下鉄のレッドラインでは6両が使用されている。

CRRCは2015年、マサチューセッツ州スプリングフィールドに製造工場を設けた。オレンジラインは19年8月にCRRC製車両を試運転し、それ以降、複数のトラブルが発生した。

同年9月、走行中に車両のドアが突然開いた。この2カ月後、メンテナンス施設に戻る車両が脱線する事故が起きた。20年3月、オレンジラインのエンジニアが点検の際に車両の枕梁(Bolster)の故障を見つけた。21年3月、オレンジラインのウェリントン駅近くで脱線事故が発生した。

CRRC現地法人のCRRCMAの発表によると、MBTAとの契約の下で、同社は23年までにオレンジラインに152両、レッドラインに123両の車両を供給する。

CRRCは14年、車両更新を計画したMBTAの競争入札に参加し、破格の安さと州内での車両製造などの条件を提示したため、日韓などの同業他社を抑えて「7億2890万ドルの契約」を獲得した。

張哲
張哲