米信教の自由担当特任大使、法輪功学習者と会談 「残忍な迫害は容認できない」

2022/05/02
更新: 2022/05/06

4月25日、法輪功学習者が北京で行った平和的な陳情から23年が経った。法輪功学習者らはこの日、米国務省でラシャド・フセイン信教自由担当特任大使と会談し、中国で数十年間続く迫害について報告した。

法輪功情報サイト「明慧ネット」によると、フセイン氏は中国共産党による法輪功学習者への残忍な迫害は容認できないと言明したという。また、会談に参加した法輪大法情報センターのリーバイ・ブラウデ事務局長は「大使は法輪功への迫害について、中国共産党に非常に強い姿勢で向き合う意向を明らかにした」と大紀元に語った。

1999年4月25日、約1万人の法輪功学習者が北京の政治中枢・中南海に隣接する国家信訪局(申し立て等を受け付ける政府機関)に陳情のために集まった。不当に逮捕・拘束された45人の法輪功学習者の解放と信仰の自由を求めていた。明慧によれば、学習者たちは本を読んだり座禅をするなどして受付を待った。

しかし、後に当局は「法輪功学習者が中南海を包囲した」と決めつけ、同年7月20日、法輪功弾圧を開始。今なお数え切れないほどの学習者が中国共産党からの不当な迫害にさらされている。

1999年4月25日、法輪功学習者たちは陳情のために北京市中心部にある国家信訪局に集まった (明慧ネット)

 

母は獄中死

法輪功迫害は中共ウイルス(新型コロナ)の大流行のなかでも続いている。大紀元が昨年入手した江蘇省蘇州市呉中区のリーク文書には、法輪功学習者への弾圧を続行するよう記されていた。学習者への迫害を強化するため「100日間(弾圧)運動」を開始し、いわゆる「洗脳教育」を実施したとも明記されている。

中国当局は2020年初頭、中国における中共ウイルスの感染拡大の状況をいち早く発信した市民ジャーナリストの方斌氏を逮捕した。明慧ネットによると、法輪功学習者である方氏は「特に長い」間拘束されており、いまだ釈放されていない。

フセイン氏との会談に参加したサイモン・ジャン氏の母、季雲芝さんは北京冬季オリンピック開会式の3日前に逮捕され3月に獄中死した。季さんの食道は切り開かれ、顔や肩が血まみれになっていたという。

フセイン氏は26日、「法輪功学習者とその家族が耐えてきた悲痛な迫害の話を聞いた。誰も信仰のために嫌がらせや拷問、投獄に苦しむようなことがあってはならない」とツイッターに投稿している。

臓器狩り

会談でフセイン氏は、中国共産党主導の法輪功学習者に対する臓器摘出についても言及した。前出のブラウデ氏によると、フセイン氏は臓器摘出が行われている病院への最新電話調査を国務省に提出するよう述べたという。

中国共産党による強制臓器摘出は2006年に初めて明るみになった。中国北東部で働いていたアニー(仮名)と名乗る女性が、医師だった元夫が2000人あまりの法輪功学習者から角膜を摘出したと大紀元に証言したことが始まりだった。

それ以降、国際NGO「法輪功迫害追跡国際組織(WTOIFG)」は十数年間にわたり、移植を必要とする患者を装い、中国の病院の医療関係者を対象に電話調査を行ってきた。2018年の調査で、北京武装警察総合病院の肝移植部門の陳新国主任は、臓器は健康な法輪功学習者からのものかとの問いかけに「そうだ」と答えている。

2014年5月14日、法輪功の集会で講演する法輪大法情報センターのリーバイ・ブラウデ事務局長 (Dai Bing/The Epoch Times)

ブラウデ氏は「法輪功学習者を不当に拘束、拷問、殺害した加害者に実質的な罰則を与えるため、フセイン氏の事務所および米政府の他の分野と協力して、制裁などを続けていきたい」と大紀元に語った。

国務省は3月、中国国内外で宗教団体や少数民族の抑圧に関与したとされる中国当局者にビザ発給を制限すると発表した。当局者の名前や人数は公表していない。
 

米国をはじめ国際関係担当。