全豪OP決勝戦、会場で「彭帥はどこ?」Tシャツ1000枚 活動家が無料配布

2022/01/29
更新: 2022/01/29

豪州テニス協会(TA)は25日、中国の人権問題に触れる「彭帥はどこ?」と書かれたTシャツを全豪オープンの試合会場で着用することを禁止する措置を撤回した。現地の人権活動家ドリュー・パブロフ氏はこれを受け、29日に行われる決勝戦で観客に1000枚のTシャツを配布すると自身のSNSで投稿した。

かねて中国共産党に批判的な立場を示してきた22歳のパブロフ氏は「私は彭氏の行方を心配する同志と共に、1000枚『彭帥はどこ?』と書かれたTシャツを会場外で無料配布する予定だ」と28日、自身のフェイススブックに投稿した。

メルボルン・パークで開催中の全豪オープンでは、観客がこのTシャツを着用していたところ、警備員や警察官からTシャツを脱ぐように求められた。この措置は言論抑圧として世界からの批判を浴び、全豪オープン会長のクレイグ・タイリー氏は撤回を発表した。

中国の女子テニス選手の彭帥氏は昨年11月、中国共産党の張高麗元副総理から性的暴行を受けたと自身のSNSで告発した。その後しばらく公の場から姿を消した。北京冬季五輪を控えるなか、スポーツ選手に対する中国共産党体制の圧力に国際社会が視線を注いだ。

パブロフ氏はクラウドファンディング「ゴー・ファンド・ミー」で、1000枚「彭帥はどこ?」Tシャツの作成費用の募金を呼びかけたところ、2日間で1万豪ドルを集めた。29日のフェイスブックでは知人と共に会場外でTシャツを配布する模様を伝えた。

クイーンズランド大学の学生で人権活動家のドリュー・パブロフ氏(ドリュー・パブロフ氏提供写真)

中国共産党の人権侵害に抗議するパブロフ氏は2019年7月、クイーンズランド大学で香港民主化を支持するイベントを主催したところ中国系の暴漢に襲われ、国内外メディアの注目を集めた。昨年12月には新政党「ドリュー・パブロフ民主連盟党」を立ち上げ、上院議員選挙に立候補することを表明した。

蘇文悦
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