11月23〜25日にトルコで行われる「国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)」の総会で、次期執行委員会のメンバーが選出される。中国公安部(省)の高官も立候補している。人権専門家の間では、中国がICPOの権限を悪用して、海外の反体制派を追跡するのではないかという懸念が広がっている。
中国公安部国際協力局の胡彬郴副局長は、同委員会のアジア代表として2議席を争う3人の候補者の1人である。
13人のメンバーで構成される執行委員会は、ICPOの事務局の仕事を監督し、今後の方針を決める。ICPOは、人や物の識別情報を含む多数のデータベースを管理している。世界の最重要指名手配犯の逮捕要請「レッド・ノーティス」というシステムも運営している。
各国の議員でつくる「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」の50人以上の議員らは、中国が海外に亡命したウイグル人活動家を標的にレッド・ノーティスを利用しようとしていることを指摘し、胡氏が委員会に選出される可能性があることに異議を唱えた。
今年7月、中国の要請によりモロッコ政府はウイグル族の人権活動家のIdris Hasan氏を拘束した。
2018年、10年以上にわたってウイグル人の民主化運動指導者のDolkun Isa氏に対して発令されていた「レッド・ノーティス」が解除された時、中国は反対した。
人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ(Safeguard Defenders)」によると、胡氏が幹部を務める公安部国際協力局は、海外の逃亡者を追跡する「天網(スカイ・ネット)」や「獵狐行動(フォックス・ハント)」と呼ばれるプロジェクトを監督しているという。
人権侵害に関わった人や組織を制裁する「マグニツキー法(Magnitsky Act)」の制定を各国に促している人権活動家のBill Browder氏は、中国当局者がICPO執行委員会入りを実現すれば、「それは狐に鶏小屋を管理させているようなものだ」と形容した。
ICPOの前総裁である孟宏偉氏は、中国公安部の副部長(次官級)を務めていた。孟氏は任期中の2018年、中国に一時帰国中、当局に逮捕され、贈収賄容疑で13年間の懲役を言い渡された。
(翻訳編集・李凌)
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