中国当局、隔離中の韓国人31人分のパスポートを「誤って」焼却

2021/06/27
更新: 2021/06/27

中国当局が最近、北京に着いた韓国人31人のパスポートを焼却する事件が発生した。現地の関係者は、「パスポートを『ゴミ』と勘違いしてしまった」と説明した。被害にあった韓国人は再発給による不便を被っている。また、個人情報が流出して「偽造されるかもしれない」と心配している。

韓国外務省の20日の発表によると、中国北京の防疫当局が今年4月、航空便で現地に到着した在中韓国人31人を防疫のための隔離施設に案内し、「記録作成に必要だ」としてパスポートを押収したという。

パスポート返却が直ちに行われなかったため、異変を感じた韓国人たちはホテル側にパスポートを返してほしいと申し出た。確認した結果、中国防疫当局の関係者は、在中韓国人のパスポートを回収した後、誤って焼却したことを認めた。

韓国政府は在中国韓国大使館を通じて現地当局に強く抗議した。韓国外務省によると、中国側はパスポート焼却に対する「謝罪の意」を表明し、被害にあった韓国人の隔離費用を中国側が負担するという意思を伝えたという。

韓国外務省は今月22日、焼却された31人分のパスポートを再発行したと発表した。被害にあった韓国人は「再発給すると、パスポート番号が変更されるうえ、他国のビザまで再発給してもらわなければならない状況になり、しばらくは手間がかかるだろう」と嘆いている。

一部の被害者からは「パスポートが焼却処理されたのか確認しなければならない」という声も出ている。国際信用度の高い日本、韓国などのパスポートは、盗難に遭うと不法入国や麻薬密売、偽札流通など国際的な犯罪に悪用される可能性が高い。スイスでは数年前、韓国パスポートで入国しようとした中国人16人が当局により逮捕された事件もある。当該パスポートは、韓国人観光客が海外で盗難されたものだった。

被害者らは「もしパスポートが焼却されたのではなく、外部に流出したとすれば偽造などで使用されうる」と懸念を示した。

(編集・潤水)