米国務省は12日、世界の信教の自由に関する2020年版報告書を公表した。同報告書は、中国当局による法輪功学習者など良心の囚人に対する強制的な臓器摘出を調査した2つの報告書を取り上げた。
1つ目の調査報告書は、米国に本拠を置く「共産主義の犠牲者記念財団」(Victims of Communism Memorial Foundation)が作成したもの。
同財団は3月、「中国における臓器調達と超法規的処刑:証拠レビュー」と題する報告書を発表した。報告書は、中国の移植市場で取引されている臓器の供給源は、法輪功学習者とウイグル人など良心の囚人の可能性が最も高いと指摘している。
さらに、中国の臓器移植システムを分析した一連の記事は、中国政府が正式ルートを通じて提供する臓器の供給源を疑問視した。臓器移植に関わる医療関係者は同時に、反法輪功運動にも参加していると指摘した。
国務省が引用した2つ目の調査報告書は、「中国・民衆法廷」による判決書である。同判決書は、中国当局が数十年にわたって法輪功学習者の臓器を強制的に摘出しており、現在も続いている」と指摘している。
「3月1日、オーストラリアに本部を置く人権NGO、中国での臓器移植濫用停止のための国際ネットワーク(ETAC)が設立した独立法廷、通称『中国・民衆法廷』が、中国の臓器移植に関する包括的な判決を下した」
国務省は「これは完全な判決文である」と述べた。判決文には虐待行為(強制的な臓器摘出)を目撃した医療専門家などの証言が収集された。「法輪功学習者など良心の囚人からの強制的な臓器摘出は何十年にもわたって継続的に行われている。これは国家主導の(中国共産党)プロジェクトである」と結論づけた。
国務省は最新報告書で、法輪功学習者が監禁先で受けたX線、超音波、血液検査、DNA検査などにも触れた。
米国務省はまた、中国の警察が法輪功学習者から強制的に採血したというエポックタイムズ(大紀元)の報道を引用した。血液型のマッチングは臓器移植の必須条件とされている。
「法輪功関連の報道機関『エポックタイムズ』の報道によると、中国の警察当局は8月2日、法輪功学習者の自宅に無理やり侵入し、警官4人で学習者を羽交い締めにして、強制的に採血を行った。説明を求められた警察官らは『これは国が決めたことだ』『法輪功学習者に対して、法に則らなくてもよいのだ。(学習者)一人も残らず全員を滅ぼすのだ』と叫んだという」
「エポックタイムズの報道によれば、中国全土で数十件に及ぶ同様の事件が発生しているという。7月22日、山東省高密市警察当局は地元に住む法輪功学習者46人を逮捕し、全員に強制的に採血した。これに詳しい弁護士は、これは一般的な検査ではなく、人の生体サンプルを採取していると指摘した」
(大紀元日本ウェブ編集部)