ニューヨーク証券取引所(NYSE)は2020年12月31、米大統領令に基づき、チャイナ・モバイル(中国移動通信)とチャイナ・テレコム(中国電信)、チャイナ・ユニコム(中国聯通)を上場廃止すると発表した。
同取引所は、中国の軍とつながりのある企業への投資を制限する米大統領令に基づき、中国人民解放軍と関係していると認定された上記中国の通信大手3社の上場廃止を発表した。3社の取引は1月7〜11日に停止される。
同取引所のリリースによれば、これら3社は香港でも上場している。また、すべて収益は中国国内から得ているため、米国では株式上場以外の意味のある事業は行っていないと指摘した。
トランプ米大統領は2020年11月12日、中国人民解放軍に所有もしくは管理されていると判断された中国企業への米国の投資を2021年1月11日から禁止する大統領令に署名した。また、2021年11月11日までに関連する投資の撤回を求める。その後、米国防総省は、中国軍所有またはその管理下にあると判断した35社を公表した。
2020年12月28日、トランプ政権はこの11月の執行命令をさらに強化した。米財務省によれば、中国共産党の軍事企業や系列会社、中国共産党の軍事企業の証券を保有するファンドもすべて規制対象にする。今後も、中国共産党の軍事企業によって株式の50%以上管理されている企業を、さらに規制対象のリストに加える予定だという。
2020年11月に執行命令が発表されて以来、MSCI、S&P ダウ、FTSEラッセルなどのインデックスプロバイダーは、国防総省が指定した一部の企業を除外する動きを始めた。
ブルームバーグは、過去10年間、ニューヨーク証券取引所やナスダックを含むグローバル取引所は、IPO (株式公開)ビジネスを拡大しようと中国企業に対してオープンだった。また、香港証券取引所(HKEX)も再び引きつけるために、加重投票権を持つ企業の株式売却の許可など、規則の変更を行なった。これらの動きにより、創業者たちに力を与えたが、少数投資家への保護を犠牲にしたと指摘している。
トランプ米政権は中国企業に対する監査も強化した。2020年12月に成立した「外国企業説明責任法」は、米国の会計監査に関する当局の検査を3年連続で拒んだ外国企業の米上場廃止を定めている。規制強化により中国企業が廃止を選ぶ可能性は高くなった。
過去2年間で、米中貿易戦争の激化に加え、米政府が投資家保護のために米国上場の中国企業への規制を強化したため、ニューヨークで上場していたアリババ(BABA-US)とJD.com(JD-US)は、香港でも二次上場した。
(大紀元日本語ウェブ)