米政府、中国人記者の取材ビザ更新を規制、中国「対抗措置を取る」と威嚇

2020/11/06
更新: 2020/11/06

米政府がこのほど、中国の報道機関に対する規制を強化したことで、中国外交部(外務省)の汪文斌報道官は11月2日、「中国の記者に対する政治的迫害と抑圧をやめなければ、必ず断固たる対抗措置をとる」と威嚇した。これを受け、米国側は「容認できない」と反発した。

2日に記者会見を開いた汪報道官によると、10月末、一部の中国人記者のビザ更新許可申請は米側に承認されたが、有効期間は今年8月4日~11月4日までとなっている。この中で、実際の有効期間は1週間足らず、わずか3日というケースもある。同報道官は「記者らが再度、許可申請を出さなければならなかった。それでも、一部の記者は未だに米側の返答を受けていない」と強い不満を示した。

北京市にある米国大使館は3日の声明で、中国側の脅かしを「受け入れることはできない」とした。また、声明は、中国側の非難は「不適切で誤解を招くものである」「彼らは、米国の合法的で透明性のある慣行を、中国共産党による政治的嫌がらせと同一視しようとしている」と反発した。

さらに、声明は「米国は、これらの(ビザ更新)申請について、誠意をもって裁定した。しかし、中国側は、中国で働く米国人記者に関する米国側の長年の合理的な訴えを完全に無視している」と批判した。

米国務省のモーガン・オルタガス(Morgan Ortagus)報道官は10月30日、「米国にいる中国人記者は、好きな場所に行けるし、電話に出た米国のリーダーに取材もできる。中国にいる米国人記者は嫌がらせや暴行を受け、その家族まで脅されて、その情報提供者も尋問されることがある。中国の指導者は米国人記者の取材要請を無視する。何かを得るためには何かをあげないといけない」とツイートした。

ブルームバーグによれば、米政府は、9月までに、中国官製メディアの記者や関係者60人余りを追放したほか、20人以上のビザ発給を拒否したという。その一方で、中国当局は今年上半期に、外国人記者17人を国外追放した。

マイク・ポンペオ米国務長官は10月21日、米国内の中国報道機関6社を「外国の宣伝機関」に追加で認定した。これを受けて、中国当局は報復措置として、放送局ABC、ロサンゼルス・タイムズ紙、ニューズウィーク誌などの米メディア6社の中国支社に対して、10月26日から7日以内に、スタッフや財務などに関する情報を書面で報告するよう命じた。

(大紀元日本ウェブ編集部)