中国の陸上女子400Mリレーに「男性」出場? 選手の性別が話題

2019/08/29
更新: 2022/10/22

中国の陸上競技に出場した湖南省の2人の女子選手の「男性化」が注目を集めた。

7月11日、中国で行われた全国陸上競技選手権大会・女子400Mリレーの決勝で、湖南女子チームが3分35秒67で勝利し、2位のチームより3秒も速かった。

試合はテレビで生中継され、選手らがインタビューを受けた。湖南省女子陸上代表選手4人のうち2人、廖夢雪さんと童曾歡さんについて「骨格や足腰、話す声はまるで男性」との指摘が相次いだ。

2人は、中国ナショナルチームの4×400mリレーの主力選手でもあるという。2選手は今年5月11日、国際陸上競技連盟(IAAF)の世界リレー2019横浜大会にも出場。女子4×400mリレーの種目で、中国チームは3分31秒01と12位の結果で予選敗退となった。その後にインタビューに応じた廖選手の声が男性の声そのものだった。

2人の「男性化」について以前からも疑問視する声があった。中国陸上委員会が「検査の結果、2人は正真正銘の女性だ」とし、批判は2人に対する「侮辱だ」と一蹴した。しかし、男性的な外見から、疑問の声は後を絶たない。ホルモン剤の過剰投与との見方がある。

中国共産党機関紙の人民日報は27日、SNSを中心にこの話が話題になっていると報じた。「2選手は外見や声からとても女性とは言えないとネットユーザーが言っている。あなたはどう思いますか」とネットユーザーに向けて質問を投げかけた。「女性には見えない」「間違いなく男性だ」「私たちは男性だ、彼らは自分で言ったようなものだ」「これは混合リレーチームだ」などの書き込みが散見する。

 

 

長い間、中国のスポーツ選手はドーピング疑惑を掛けられている。「(男性ホルモンなど)摂取していないなんてありえない」「ドーピングチームだ」「ホルモン剤が効きすぎているのだろうか」などのコメントが中国SNSに多数上がっている。

1993年、シュトゥットガルト世界陸上競技選手権大会で、中国女子選手は1500、3000、1万メートルで優勝した。選手らが所属する「馬軍団」は組織ぐるみで長期にわたって、ドービングしていたとのちに選手らが暴露した。1994年11月に広島で開催されたアジア大会で、中国選手11人(うち7人が水泳選手)がドーピング検査で陽性と判断された。また、競泳男子1500メートル自由形で世界記録保持者の孫楊さんは2014年、ドーピング違反で3カ月の出場停止処分を科された。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。