朝鮮半島は冬季に差し掛かる秋に、中国からの大気汚染の影響を被る。韓国では10月中旬からPM2.5の濃度が高くなり、一部の人には長時間の屋外活動の停止を推されるレベルに達した。韓国の気象学者によると、滞留するスモッグは国内由来だが、偏西風にのり流れてきたスモッグは主に中国からだとしている。
ラジオ・フリーアジア(RFA)によると、夏を終えてすぐ、韓国の多くの都市では、白い雲と青空を眺めることのできる秋らしい晴れ日が続いた。北部の南山テレビ塔からは、南北境界線である38度線が確認できるほどだったという。
ソウルでは10月初旬まで、微細粉じんPM2.5などを計測する大気質指標(AQI)は8にとどまっていたが、中旬に差し掛かり35に急上昇。16日には、子供や高齢者、心臓や肺を患う人が長時間の屋外活動の停止を推される150を超えた。同期の北京の200ほどではないが、ソウルでは大気汚染による不快感を感じる人が増えているという。
あるソウル市民は韓国連合ニュースに対して「このところ天気は良かったので、マスクをつけることもないと思ってましたが…」と残念そうに述べた。
韓国国立環境科学院によると、スモッグは毎年11月から5月まで続く。同院は昼夜の寒暖差により引き起こされる大気の停滞と、偏西風にのって流れてくる中国由来のものだと説明している。
同院は、停滞する大気汚染は韓国から発生するもので、石炭火力発電、自動車や工場の排出ガスなどが原因としている。ソウルでは2018年3月、観測史上最悪のPM2.5を記録した。
韓国民間気象情報センター「Kweather」の気象予報主任・潘基成氏は同メディアで、韓国の秋冬に観測されるPM2.5のうち、中国由来は6~7割、最高で8割を上ると述べた。
長年、石炭暖房を主とする中国では、冬季の大気汚染が深刻になる。中国当局によれば2017年、北京、天津、河北省の暖房燃料を石炭からガスに変更したことで、大気汚染は前年より15%改善したという。
北京の冬は厳しく、12月~2月はマイナス5~9度になる。中国ネットユーザーの情報によると、地域住民は当局による石炭ボイラーの使用禁止や強制撤去、ガス供給不足や関連のインフラ不整備で、暖房のない過酷な冬越しを強いられたとして、不満を噴出させていた。
中国気象当局は8月、冬季の空気質が再び3%改善するとの予測を発表した。これにより、今冬は工業セクターに対する公害規制を緩和させるとみられている。韓国メディアは、米中貿易戦にある中国は、産業を停滞させられないため、公害対策を遅らせる可能性もあると伝えた。
(編集・佐渡道世)
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