中国首都北京と四川省省都の成都市など各地で10日、退役軍人の待遇改善を訴える大規模なデモが発生した。
国内ソーシャルメディアに投稿された動画によると、成都市では、約700人の元軍人が政府庁舎前でデモを行った。その後、地元当局が投入した警備隊が元軍人らと衝突し、負傷者が出た模様。鎮圧に当たった警官らは催涙スプレーや唐辛子スプレーを噴射し、目の痛みを訴える元軍人が続出した。
また、同日数十人の河北省出身元軍人らは、北京の中央政府機関や当局の最高指導者や要人の居住区などがある「中南海」の外周で座り込みを行った。北京市にある退役軍人事務部の庁舎前にも、数千人規模の元軍人が集まりデモを行った。
中国当局は今年3月、元軍人の不満をなくす目的で、退役軍人事務部を新設した。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、同部の設立以降、毎日中国各地から多くの元軍人が陳情に訪れている。元軍人の陳情活動が大規模な抗議活動に発展するのを阻止するため、当局は同部の周辺に警戒態勢を常に敷いている。
(翻訳編集・張哲)
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