最新の報告によると、中国当局が国内の脱北者を捕えて北朝鮮へ送還する人数が急増しているという。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)によると、2016年7月~2017年6月の1年間では、少なくとも51人だった送還者数は、今年7月~8月、すでに41人に達した。9月3日、韓国と北朝鮮の協力筋の話として伝えた。
捕らえた地点は、中朝国境から、北朝鮮から3000キロ以上離れたラオス国境までと幅広い。また、中国当局は7月、脱北者が中国を経由して他国へ逃亡するのを手助けしていた案内人も逮捕している。HRWは、脱北者に対する取り締まりが強化されたとみている。
過去5年間で中朝国境の両側は、国境警備員の数を増加させ、有刺鉄線の柵の数を増やしており、セキュリティはますます厳しくなっている。中国はまた、国境の監視カメラ設置範囲を拡大し、国境に繋がる道路での検問ポイントを増やしている。
北朝鮮政権は、国を脱出しようとする者に対して厳しい処罰を下す。帰国者のほとんどを強制収容所に投獄し、拷問を加え、処刑することもある。
専門家は、中国当局による脱北者送還は、国連が1951年に採択した「難民の地位に関する条約」に違反すると非難している。HRWのアジア局長フィル・ロバートソン氏は、「中国は明らかに北朝鮮が脱北者を迫害していることを知っている。国連難民条約に従うべき加盟国としての義務に違反している」と批判した。
中国当局は、脱北者を「違法な経済移民」として扱っていると反論している。
脱北者支援の情報筋によると、中国当局は、脱北者を「麻薬密売人」として拘束したケースがあると報告。情報筋は、北朝鮮当局の工作員が、中国当局に脱北者に関する情報を提供していると見ている。
韓国の報道によると、韓国統一省は、今年1月~8月の間に韓国で780人の脱北者の安全を確保したと発表した。
(翻訳編集・佐渡道世)
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