1979年から中国共産党が一人っ子政策を実施してから37年が過ぎた。これにより中国の出生率は著しく低下し、人口ピラミッドは急激に底が減り、他国と比べて年齢別人口がアンバランスになった。その影響は、近い将来の中国に暗い影を落とすと専門家は予測する。
中国の人口 30年間で子ども1.2億人減少
現在、中国の0歳から14歳までの幼少年人口の割合は16.5%にまで低下している。人口学者の姚美雄氏によると、世界平均の27%と比べると著しい少子化水準だという。
今年の5月には、有名な投資分析専門家ジョン・モールディン氏が自身のサイト「モールディン・エコノミクス」において、世界で人口増加率が最も低いのは東欧、ロシア、中国そして日本であると述べた。世界的にみると、高齢者の増加は子供の減少よりも早く、最初に人口危機を迎えるのは中国だと分析する。
中国共産党の公式データによると、中国の出生数は60年代の年2600万人から現在1600万人にまで減ったという。0~14歳の人口が総人口に占める割合は、1982年の33.6%から2015年には16.5%にまで減少し、子供の人口総数は3.4億人から2.2億人にまで減少した。30年間で、子供は1.2億人も減ったことになる。
21世紀なかごろ 中国高齢者人口はアメリカ人口超える
中国は少子化のみならず、高齢化も進んでいる。というのも、中国は世界で高齢者が最も多い国であり、高齢化の進展が最も早い国の一つでもある。
国連の予測では、21世紀中期までに中国では60歳を超える高齢者が5億人に上り、アメリカの全人口を超えるとされている。現在でも中国の80歳以上の人口は2400万人に上り、高齢者人口の11%を占めている。
統計上では、中国の60歳以上の高齢者人口はすでに14.9%に達しており、2020年には19.3%、そして2050年には38.9%にまで増える見通しだ。その上、高齢化が進行する過程において、労働力人口は低下する一途をたどる。
医療の発達と所得の上昇で平均寿命がのび、高齢者の年金受給年数も増えた。年金支出は政府財政の大きな負担となっており、少子高齢化が進行する中でその負担はさらに大きくなると予想される。
若者人口減 労働力不足
2021年以降には、中国の労働力市場の需要と供給のバランスが崩れ、労働力不足による雇用危機が生まれると姚美雄氏は警告する。同時に青年人口の急激な減少は不動産バブルを崩壊させ、大学生減少にもつながるという。
1995年には2530万人が小学校へ入学したが、2008年になると3分の2にまで減った。さらに、今後10年間で中国の20歳~24歳の若年労働者層は30%も減少すると言われている。
2020年以降は人口危機が本格化し、労働力不足、年金の財源不足の多重苦が一気に襲い掛かってくる。
(翻訳・文亮)
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