中国軍は最近、強力マイクロ波を用いた兵器の開発を進めている。これは遠方から、敵軍の軍艦、飛行機、ミサイル、戦車まで、あらゆる兵器の電子技術機能を無効化・破壊するために設計される。
英外交分析紙「ディプロマット」によると、強力マイクロ波砲を開発する中国北西原子力研究所の黄副所長ら研究チームは1月、このサンプルの制作に成功したという。
強力マイクロ波砲は、電子機器を破壊することができるとされる。飛行機から戦車、軍艦まで、今日のあらゆる兵器は電子制御に頼っており、これらを無効化させることができるこの兵器は、致命的なダメージを与えられるため、有事の際の「ゲームチェンジャー」となると考えられている。
注目するべきは、そのサイズだ。強力マイクロ波砲は「卓上サイズ」でも充分に効力があり、手で持って使用することが可能。ほかにも、ドローン、無人機、交通機関などに設置することで広範囲に影響をもたらす。
歴史を変えるゲーム・チェンジャー
この強力マイクロ波砲は、有事で、優れた技術力を持つ敵軍の危機を破壊するために開発される中国共産党政権と人民軍の計画「殺手鋒(殺しのほこ、アサシン・メイス)」の一部。
これまで想定された米中戦では、すべて米国の勝利に終わると考えられてきた。しかし、米国国防部の中国軍事戦略研究の権威マイケル・ピルズベリー氏は著書「100年のマラソン」で、中国の「殺手鋒」が登場したことで、従来の戦術・戦略を覆して、中国勝利の結果が導き出されるという。
アメリカの現代戦争専門家ピーター・ウォーレン・シンガー氏は、米紙デイリー・スターに強力マイクロ波砲について語った。「マイクロ波砲は小さいが、電子機器を完全に破壊するのには十分に強力である」とし、防衛と攻撃において新たな可能性をもたらす「新たな章」を作るものだという。
英紙ポピュラー・サイエンスによると、マイクロ波砲は電波の周波数が300~300000 メガヘルツの高エネルギーを持つ電磁パルスを標的に発射するため、標準的な防壁などを透過して破壊することができる。具体的な有事での使われ方は「標的の戦車や戦闘機を麻痺させ、無人機やミサイルを奪取できる」とシンガー氏は述べる。
また、シンガー氏は、中国はこの兵器を武器輸出する可能性も示唆する。「中国は明確な世界的覇権を掲げており、科学技術に多額を投資している。武器貿易ではロシアを追い越そうとしている」とした。
(英文大紀元記者ジョシュア・フィリップ、翻訳編集・佐渡 道世)
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