法務省の発表によると、2015年、技術を学ぶために「外国人実習生」として日本に来た外国人のうち、約5800人が行方不明になっていることが、明らかになった。その半数以上が中国出身者。ここ5年で、同様の理由で訪日し、行方が分からなくなっている中国人は1万人に及ぶ。
中国人が最多 日本で「失踪」する外国人実習生
データによると、去年、日本国内で行方不明になった実習生は5803人と過去最多となり、2014年の4847人から1000人近く増えた。 2011年は1534人で、4年後にその数は5倍となった計算だ。
出身国の内訳は、中国は最も多く、2015年は3116人、次はベトナムで1705人、ミャンマーの336人に続く。行方不明になった実習生の多くは違法滞在者となり、不法なアルバイトに就いていると、政府は指摘する。
中国企業が面倒みる? 失踪した実習生
行方不明になる中国実習生はなぜますます多いのか。大紀元の取材に応じた関係筋によると、日本において、中国人のコミュニティとネットワークを増やすために、在日中国人が実習生を利用しているという。
「同胞」といわれるように、海外において仲間意識の強い中国人は、自ら経営する日本の会社で中国人の雇用を増やしている。同時に、日本人よりも比較的、給料は安く設定していて、雇用側にとっては好都合だ。
また、日本社会における中国人の就職の難しさも背景にある。同情報筋によると、在日中国人の仕事の多くは中華料理店、居酒屋、工事現場での短期労働などに限られ、給与はそれぞれ高くなく、肉体労働となる。そのため、大部分の実習生は、簡単な作業で高収入を得られる「闇の仕事」に飛び着きやすい。
現在、多くの中国人観光客が日本を訪れる。中国人ビジネスマンもこれを好機と見て、日本でホテル経営したり、旅行会社を設立したりしている。安い時給で済ませる実習生は、彼らにとって、望ましい人材に映る。
伝えられるところによると、在日の中国人実習生は、マイクロブログ「微博」で、闇の仕事を探し、紹介しあったりしているという。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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