フランス化粧品大手ロレアル(L’Oréal)社傘下ブランドのランコム(Lancôme)が6月5日、中国当局からの圧力で、民主運動を支持する香港の女性歌手が出席するイベンドを中止したことをめぐって、同社の投資家も不満を募らせたようだ。
6~10日までの欧州株式市場においてロレアル社の株が急落した。6日同社終値は1株=168.1ユーロだったが、10日の終値は1株=163.4ユーロを付けた。同社発行済株式数の5億6000万株で計算すると、時価総額約26億3200万ユーロ(約3160億)が消えた結果になる。
10日一日だけでも、前日比で約2.07%安と大幅に下落し、時価総額約20億ユーロ(約2400億円)が消えた。
ランコムが中国当局の圧力に屈したことを、イギリスBBC放送、ニューヨークタイムズなどの国際メディアが相次いで報道した。
フランス国内では、ベアトリス・デグランジュ(Beatrice Desgranges)元哲学教授がランコムの決定に抗議し、署名活動を始めた。デグランジュ氏は、フランスの企業として自由と人権を尊重するべきで、中国当局からの政治的圧力に屈するべきではないとイベンド中止決定の撤回を呼びかけた。9~12日までに約8万人からの署名を集めた。
週明けの6月13日欧州株式市場において、ロレアル社の株価は前営業日比1.22%安の1株=161.4ユーロで取引を終えた。
(翻訳編集・張哲)