中国で5月下旬、全国の34行政区のうち31行政区の武装警察部隊兵士数十万人が参加する大規模な実戦演習が実施された。国内の治安維持や国境防衛などを担う同部隊の約半数の兵力を導入したことについて、中国問題専門家は「極めて尋常ではない」と今後の動向に関心を示した。
中国官製メディアによると、「衛士-16」実戦演習は5月24日にスタート、5昼夜続けて行われた。参加した兵士は数十万人で、車両1万台以上、ヘリコプター16機、船艇13隻、移動距離は延べ15万キロあまりだという。
実施の地域について、報道は「北京方向、関連の重点方向及びその他の方向」と言及するのみで詳細を伝えなかった。
国内の治安維持や国境防衛などを担う中国の武装警察部隊。報道によると、今回の演習の実施にあたって、習近平国家主席は「戦闘に対する十分な心構え、準備が必要」と指示した。大紀元本部のコラムニストは国内の政治不安などに備えるためではないかとみている。
江沢民政権及びその後の胡錦濤政権下で長年にわたり江沢民派が主導権を握っていた武装警察部隊について、習近平国家主席が就任後、その中央上層部と各行政区総隊の人事を大幅に見直し、江派勢力を粛清したとみられる。
(翻訳編集・叶子)
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