「国有企業管理層を大幅縮減」-李克強首相

2016/05/23
更新: 2016/05/23

中国政府当局の政策や情報を発信する「中国政府網」(5月18日付)によると、李克強首相は今後3年間に中央政府直轄国有企業央企)の管理層に対して、現在の5~9層から3~4層以下に縮減させるなど、国有企業改革に関するいくつかの方針を明示した。

進行役の李首相が同日開催した国務院常務会議において、央企の本業の競争力は弱い、余剰人員が多い、効率が低いなどの深刻な問題が抱えていると指摘した。

中には、子会社や孫会社、さらにその下のひ孫会社が多いため、管理層が5~9層もあり、「一部企業の会長ですら、傘下の子会社と孫会社が何社あるかを把握していない」と企業管理効率の低さが突出している。今後3年間に、央企の管理層を3~4層以下に縮減し、央企法人企業の数を約20%減少していくと表明した。

国内メディアの報道によると、李首相は「一部の央企の本業は利益を出しているが、その副業が本業からの利益をほぼ食い潰している。国有の資産も食い潰されている。また一部の企業は、副業は利益を出しているが、本業が赤字だ」と指摘し、さらに強い口調で「われわれは何のために央企を設立したのか?民営企業と仕事を奪い合うために設立したのではない」と批判し、国有企業の現状と、改革が進まない状況へのいら立ちを表した。

また同会議において、今年と来年の2年間に鋼鉄業や石炭業などの央企の現有生産能力を10%削減する、今後3年間で、央企子会社のうちの345社の大中型「ゾンビ企業」を企業再編、倒産整理、閉鎖などの方法で処理する、今後2年間で、かつて赤字を続けてきた央企子会社の赤字規模を30%低下させるなど、当局は具体的な目標を明らかにした。

 (翻訳編集・張哲)