上海将棋倒し事故 報道規制に遺族軟禁か

2015/01/06
更新: 2015/01/06

【大紀元日本1月6日】中国上海市の新年祝賀行事で死者36人(当局発表)を出した将棋倒し事故。「人災だ」と市政府の対応不備が批判される中、犠牲者遺族が外部と遮断されていることや、報道規制が敷かれていることが次々と報じられる。

香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙などによると、事故後、上海当局は複数回の内部通達で、取材、報道の内容、写真の使用等を厳しく制限し、「トップでの報道禁止」を命じた。

こうした中、医療関係者による救命活動や、負傷者を助けた現場での市民らの行動を伝える報道が中心で、事故の原因を問う報道が少ない。

同紙は、市政府当局者からの情報として、インターネットで事故についてコメントした数十人のユーザーが当局に連行されたと報じ、病院で遺族への取材もたびたび中断させられたと明かし、「当局は世論操作に必死だ」と指摘した。

また、AP通信の2日付の報道によると、多くの遺族が政府施設に閉じ込められ、外部と接触できない。ある遺族は「我々はほぼ軟禁状態にある」と記者に話した。25歳の娘を亡くした父親が市政府高官との対話を求めて、市政府庁舎付近の道路の交通を止めようとして警察に拘束された。

警察当局は記者会見で、「警備にあたった警官の数は30万人の人出には到底足りなかった」と一部責任を認めた。

人ごみから脱出してきた市民から、警官らが将棋倒しを深刻化させる「誤った誘導指示」を出していたという証言もある。

当局の発表では犠牲者は36人、負傷者は49人。その信憑性を疑問視する声は根強い。

中国国内ニュースサイト「財新網」は1日付の複数の報道で、「当日現場で死亡が確認された35人のほか、各病院に搬送された人にも多くの死者が出ている」と報じたが後にこの部分の内容は削除された。

香港紙・蘋果日報は「この事故をきっかけに、上海市で『地震』が起きるであろう」と上海市政府に最高指導部のメスが入ることを予測した。

(翻訳編集・叶子)