【大紀元日本12月31日】中国では米グーグル(Google)社の電子メールサービス「Gmail」へのアクセスが26日から、完全にブロックされたことが明らかになった。中国政府のネット検閲システムに全面封鎖されたようだ。米海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。
天安門広場の大虐殺25周年となる今年6月には、GmailなどGoogleのサービスがすべてブロックされた。ユーザーらはMicrosoft OutlookやApple Mailなどを通じてGmailサービスを利用していたが、今では完全にアクセスできなくなっている。
Google社の透明性レポートによると、中国からのトラフィック状況は、26日に急落し、27日にはほぼゼロまで下がったことが分かった。しかし、28日には若干のリバウンドを見せたという。中国版ツイッター・微博(ウェイボー)上で29日夜、一部のユーザーから、受信はできたが、送信がまだできないとの投稿があった。
Googleアジア太平洋地区広報担当のタージ・メドウズ(Taj Meadows)氏は、「サーバーを調査したところ、弊社側には何の問題もない」と述べた。
米国のネットワーク監視会社ディン・リサーチ(dyn research)の副社長、アール・ジミイェフスキ(Earl Zmijewski)氏は、同社の検測データから、中国政府がGoogleによる中国ユーザー向け香港のGoogle.com.hkサイトを封鎖したことが分かったと述べた。
中国でネットの情報統制を統括している国務院新聞弁公室からは、何の説明も得られていない。中国外務省の華春瑩報道官は29日の記者会見で、「いかなるインターネット封鎖についてかは知らないが、中国政府は一貫して法律を遵守する外資企業を歓迎する」と記者団の質問に応えた。
2009年に中国から高度に洗練された大規模なサイバー攻撃を受けたことを踏まえ、Googleは2010年3月、中国国内から検索事業を撤退、アクセスユーザーを検閲のない香港サイト(google.com.hk)に誘導するようになった。
今回のGmail全面封鎖の理由について、中国政府のネット検閲システム「グレートファイアウォール」(Great Firewall)が最新版にバージョンアップされたことや、2015年3月上旬に開催予定の「両会」に向け、重点警戒の範囲がGmailにまで拡大されるなど様々な憶測が飛び交っている。
Gmailの送受信ができなくなったGmailの中国ユーザーらからは批判が殺到している。
「これは鎖国傾向だ、北朝鮮と肩を並べるレベルに!」
「外務省の報道官が『分からない』って、真っ赤な嘘だろう」
「都合の悪い情報をブロックするあのネット検閲システム、中国政府はそれの構築を認めたことは一度もないね」
「中国の政府機関はみんな、自ら専用のネット•チャネルを持っているため、封鎖に影響されない。ネット検閲は民間人向けのサービスだ」
「ベルリンの壁と同じように、中国ネット封鎖の壁が崩壊する日、この目でみたい」