【大紀元日本7月28日】抑圧政治は人々を嘘つきに変え、詐欺師を生む。しかも、その制度は崩壊してしばらく経った後も負の遺産として残される―独デューク大学は、25年前、東西に分断され異なる政治制度を経たドイツ人を対象にした共同研究を行った。その結果、共産社会主義を採った東ドイツでの生活体験者たちは、西ドイツの人々よりも「狡猾で嘘をつく」ことなどが示された。
研究者たちは、東ドイツ出身者90人と西ドイツ出身者98人を対象に、紙とサイコロ、金銭を使った簡単な不正行為を確認するテストを行った。結果、東の人々は西の人々より2倍も嘘をつき、金銭を得ようとしていたことが明らかになった。この結果は「社会主義制度が市民の道徳観に長く影響を及ぼすという証拠」と研究者は述べている。
ブルームバーグの評論家、レオニード・ベルシドスキー氏は「抑圧的な恐怖社会は人々を正直にさせない傾向にある」と同紙への寄稿記事で述べている。「東ドイツでは人口の3分の1が秘密警察『シュタージ』に属し、人々は諜報活動を生活の糧としていたため、嘘や不正行為は生活を維持するための不可欠なスキルだった」と指摘する。
同氏はまたロシアのプーチン大統領を「ソビエトの復活」と例え、共産主義、極左や国家社会主義の痛みを味わった体験者たちは数年、数十年と経った後に「ノスタルジー(郷愁感)」に駆られ、再び抑圧を望むようになるという。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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