【大紀元日本2月12日】中国の「性都」と呼ばれ、風俗産業が盛んな広東省東莞市で9日、過去最大規模となる売春摘発が行われた。6千人の警察が動員され、162人が拘束されたという。中国中央テレビ(CCTV)が同日、摘発の実況を放送したものの、国内メディアやネットユーザーらからブーイングが殺到。風俗産業と共産党幹部の腐敗との深い関わりから、今回の摘発は「トラ退治」の序幕であるとの見方が広まっている。
東莞市は売春をあっせんする違法風俗店が多いことで知られ、30万以上(香港「新報」)の女性が風俗業に勤めているという。こういった事態の裏には「市の警察部門の合意と暗黙の了解、ひいては、上層部の黙認があった」ことがCCTVは番組の中で指摘した。
新華社のウェブサイト「新華網」は12日、香港メディアの報道を引用した形で「東莞の売春摘発は、上層部が主導したトラ退治の序幕かもしれない」と題する記事を掲載。「この事態はCCTVが独自で行えることではない。指導部が主導したもう1つの重大な行動だ」と香港「成報」の報道を引用。「この猖獗の裏には、錯綜する権力の後ろ盾と腐敗幹部の関与が必ず存在する」と同記事のこの部分も完全引用した。
CCTVも新華網も、東莞の風俗産業は、警察との癒着や腐敗幹部との関係を示唆している。中国の警察・司法を長年、牛耳ってきたのは周永康・前政治局常務委員。今回の一斉摘発は風俗業への取り締まりよりも、周氏の支持者を一掃し、周氏に処分を下す環境を整えるための行動だと見られている。
一方、今回のCCTVの摘発報道はネットユーザーのみならず、国内メディアからも反発されている。南方都市報は摘発のあった9日深夜、公式ミニブログで「東莞持ちこたえよ!」と応援するメッセージを投稿。ネット上では「風俗女はどうした。我々の幹部より1万倍きれい」「幼い女の子に手を出す校長らや、愛人に囲まれる腐敗幹部ら、彼女たちを捕まえる警察らよりは、風俗女のほうがよっぽど純潔だ」といったようなメッセージが溢れた。
国営通信中新社は10日、南方網の報道を引用し、CCTVの報道は「スイカよりもゴマを見ている」と批判。「これよりずっと重要なニュースについて、CCTVの記者が真剣に報道するのを見たことがない。(高官の入り乱れる)高級クラブを潜入取材する勇気はあるのか?ないだろう。奴隷工場を潜入取材する勇気はあるのか?ないだろう」と問い正した。
CCTV内部の売買春を指摘するものも多い。昨年末に「重大な紀律・法律違反」で解任が発表された李東生・公安部副部長(次官)がCCTVの副社長だった時、人気女子アナウンサー2人を周永康氏に紹介したことを香港メディアは伝えている。2人は後に周氏の愛人になったという。周氏の現在の妻もCCTVの元アナウンサーで、同じく李氏による紹介。買春摘発を報じたCCTV自身が、高官との売買春が盛んに行われている「高級風俗店」であるとネットユーザーは痛烈に批判した。
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