【大紀元日本11月3日】10月30日から31日にかけて、北京市を含む中部と北部の9つの省と市は、濃霧に覆われた。視界が1000メートル以下となり、500メートル以下のところも少なくなかったという。在北京米大使館は独自の測定で、北京の大気汚染が30日「危険」水準に達したと発表した。
一方、北京市環境保護局は30日の大気汚染は「軽度」と発表し、米大使館のデータと食い違いを見せた。人民日報傘下の環球時報は31日に社説を掲載し、「正確な情報を提供するように」と官製メディアとして異例の呼びかけをした。
2年前から大使館内で観測所を設置し、測定を開始した米大使館の資料によると、30日の正午12時に北京の大気汚染が、6段階中の最高水準「危険」に達したという。米政府の定義によると、「危険」とはすべての人が健康被害を受ける可能性があり、場合によっては疾病を引き起こすことがあるという。
しかし、北京市当局が30日に発表した資料によると、10月の19日間の大気状況は「優良」であり、残りの12日間は軽度な汚染であることが分かった。
2つのデータの違いについて、かつて米大使館の発表データが「科学的ではない」と批判した政府系メディアの環球時報は社説で、「汚染観測データが信頼されるよう、各地政府は正確な情報を伝えるべきである」と述べた。さらに、「当局に不利な情報が過小評価されている傾向があるため、市民は実感と発表データとの差に必要以上に敏感になっている」と、市民の感情に理解を示している。
北京市環境保護局の杜少忠副局長は自身のツイッターで、この違いについて「測定方法の違い」と釈明している。「米大使館は直径2.5ミクロメートルの浮遊粒子(PM2.5)を測定しているのに対し、中国は直径10ミクロメートルの浮遊粒子を対象としている」。
PM2.5による健康被害は近年、科学的に証明されたため、環境基準に追加する国が増えている。
この話題はインターネットでも注目されている。一部のユーザは北京の濃霧を「毒ガス」と呼び、呼吸困難や眩暈などの症状が現れたと書き込んだ。
この濃霧の影響で北京の首都空港に発着する160便は運休し、6本の高速道路が閉鎖された。
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