【大紀元日本8月2日】中国でインターネット検閲に関する法規が新たに定められた。北京の中心部にある飲食店やホテル、本屋、私立学校など公衆無線LANを利用できる施設では、当局が指定した約2万元(約24万円)のインターネット監視ソフトの導入が義務付けられた。26日付のニューヨークタイムズ(ウェブ版)が報じた。
記事によると、これに違反した場合、罰金1万5000元(約18万円)が科され、営業権利が剥奪される可能性もあるという。検閲ソフトの導入制度が、今後、他都市に適用されるかどうかなどは明らかにされていない。
監視ソフト導入の義務化について、北京の公安局は「恐喝、不正取引、ギャンブル、有害情報の伝達、コンピューターウイルスの拡散」などに公衆無線LANが利用されることを防ぐためだと発表している。
中国では、インターネット上でも中国共産党の統制を揺るがす「好ましくない情報」が拡散されれば、発言規制や検閲強化、サイト閉鎖がたちまち実行される。しかし最近、個人の発言が盛んな国内ポータルサイト運営企業間の競争も激しくなっており、ユーザー増加に繋がる検閲回避の動きも、企業側ではしばしば見受けられる。
ポータルサイト「網易」は24日、温州で起きた中国高速鉄道事故について、1950年代に中国共産党が実行し大飢餓を生んだ失策の名前を引用して、「中国高速鉄道の大躍進」だ、と皮肉った。また29日夜、鉄道部と当局中枢の事故対応に批判的だった国内メディアに対し「箝口令」が敷かれたため、掲載取り消しとなった事故関連の記事が、記者たちによりミニブログ「微博」に投稿されている。しかし微博側は記事の積極的な削除に動いておらず、アカウントの利用停止措置なども取っていない。
中国当局は特に、今春の中東及び北アフリカ地域の民主化革命以来、中国国内での情報拡散と民衆の集団行動化を恐れ、検閲と監視を厳しくしている。すでに国内ではフェイスブック(facebook)やツイッター(Twitter)、ユーチューブ(YouTube)など欧米企業のコミュニケーションサイト等が閲覧できない他、昨年、さらに100万件以上のサイトの閲覧が出来なくなった。