<赤龍解体記>(22)江沢民はこういう人物だった

2011/07/11
更新: 2011/07/11

江沢民死去の風聞がなお飛び交う今、各方面の情報を総合して分析すれば、江沢民は確かに危篤状態に陥り、生き返る可能性はほとんどないと断言できる。

 長らく院政を敷く江沢民の死去により、中国の歴史には新しい一頁が開かれ、各種の政治カードも新たに切らなければならない。江沢民の死去は、毛沢東と_deng_小平以上に中国の政局に巨大な影響を与え、中国が歴史的展開を迎える可能性も十分ある。

 新華社通信をはじめ世界のメディアがみな密かに江沢民の死去に備えている中、本欄も江沢民のスケッチを描いてみたい。

 天安門事件の中、上海のトップにあった江沢民は、強硬な手腕をもって自由民主を主張するマスコミを封殺し、学生や学生運動を支持する有識者を弾圧する極左的なやり方により、中共党内の保守派長老・陳雲氏に推薦され、_deng_小平らの了承を得て、失脚した趙紫陽に代わって中共の総書記に抜擢された。

 江沢民は権力を握った13年間に、中国の政治、経済、社会、環境ないし世界に多くの難題と災難をもたらしてきたが、以下の諸点はもっとも深刻であり、かつ今後の中国の政局を大きく影響し、中国の未来を左右する中国の根本的問題である。

 第一、共産主義教育や愛国主義教育などの洗脳教育を学生から社会人まで大々的に実施し、中共従来の革命的体質を継承しつつ民主・自由・人権などを完全に否定する。それゆえ、中国は、イデオロギーから行動までグロバール時代に相応しくない事象が多々起こり、しかも次第に反文明・反世界的な野蛮な国家に後退した。

 第二、江沢民は上海の時代から徒党を組んで私利をはかる名人である。総書記の座に座って以降、彼は自分を頭とした「上海組」を作り、その勢力を次第に中国の政局全体に拡大している。彼の悪行や影響によって、中国の政治体制が完全に乱れ、官僚全体も徹底的に腐敗した。

 第三、「真、善、忍」に基づいて心身を修練する法輪功の学習者、約1億人を理不尽に迫害し、弾圧したことで、世界中を中共の敵にした。社会が次第に堕落する中で、法輪功の普及により、中国の未来に明るい希望をもたらすものと、普及が始まった90年代初期は政府も歓迎されていたが、しかし法輪功への迫害、ならびにその後に打ち出された一連の迫害政策により、中国における道徳復興の道が完全に断たれ、社会全体の堕落も失速してしまう。

 第四、法輪功への理不尽な迫害が停止すれば、自分がその責任を追及されるため、そこから逃れようと江沢民はさまざまな自己防御策を施した。たとえば、法輪功弾圧の体制を継続させるために、江沢民は利益を餌にエリート層を買収する他、引退前から多くの腹心を育て、引退後に中共政治局や常務委員会にその人たちを多く入れ、あらゆる手段で胡錦涛の政策や人事を牽制する、等々である。江沢民の一連の悪行は中共党内の分裂をより一層加速し、最終的には中共の崩壊を導くことになる。

 江沢民は問題人物であるが、最も深刻なのは、マルクス主義の暴力革命論を唱えつつも法輪功学習者に対する集団虐殺(ジェノサイド)を行った点だと言えよう。何故ならば、江の行動は、人権侵害や刑事犯罪のレベルにとどまらず、人類の根本的な価値観や道徳を徹底的に破壊する、いわば反文明・反人類的ものだからである。

 それゆえ、彼の犯罪を譴責し批判する正義の声が次第に高まり、国際裁判所で彼の罪を告訴する件数が次第に多くなっている。世界中で、彼を裁く包囲網がすでに形成しているのである。

 「江沢民死去」の伝聞により、12年も長引いたこの問題はふたたび注目されている。法輪功迫害の問題が解決されない限り、中国のあらゆる問題も解決できない、とよく言われるが、今後この問題を巡っていかなる展開を見せるのか、注目したい。