香港の公立病院、内陸妊婦の分娩予約受付を暫時停止

2011/04/11
更新: 2011/04/11

【大紀元日本4月11日】香港の公立病院は、香港現地に住む妊婦に対するサービスを保障するため、中国内陸の妊婦からの分娩手術の予約受け付けをしばらくの間、停止すると発表した。

香港医院管理局ネットワークの責任者・張偉麟氏が9日に発表したところによると、新措置は現地香港の妊婦に提供するサービスを確保し、公立病院の産婦人科と新生児室への負担を軽減させることを目的としている。

香港の最高裁判所は01年、香港で生まれた中国大陸の夫婦の子供に香港の居留権を有するという判決を下した。加えて03年に大陸からの個人旅行が許可されるようになり、更に多くの妊婦が出産のため香港に押し寄せた。香港政府の予想では今年は、昨年より5%増の9万人を超す新生児が香港で生まれるとみられている。

香港統計処の統計によると、2010年、香港では8.85万人の新生児が生まれた。この中で内陸の妊婦が産んだ新生児は4万人以上で全体の46%を占めている。

一部の内陸にある旅行会社や仲介業者は、香港での出産前検査から新生児出生後の香港での証明書手続きなど、細部にわたった分娩サービスを専門に取り扱っている。

一方、この問題に注目する団体・香港産婦人科サービス注目団によると、公立病院は今後内陸の妊婦の予約を暫時停止するものの、実際は多くの公立病院の産婦人科の年内の分娩予約はすでにいっぱいなのだという。

香港紙・アップルデイリー(苹果日報)先週の社説「妊婦ブームは内陸の悪質社会の香港社会へのさらなる侵害」の中で、「大陸の悪質な旅行客による香港の観光業へのダメージにつづき、内陸妊婦の香港での出産ブームは大陸の悪質社会が香港のマナーある社会をまた踏みつけにした。悪質な旅行客よりさらに恐ろしく深刻なのは、この事が単一の事件ではなく、香港社会全体の社会生活に影響する事態だということである。これは一国両制度下において、一国の主要な一制度の歪んだ発展が、香港市民の静かで安らかな暮らしを蚕食し、我々の生活を攻め落とそうとしていることを意味している」などと書かれている。

(翻訳編集・坂本)