<中国人の本音> 日本の対中ODA削減に、「GDP粉飾の結果」

2011/03/05
更新: 2011/03/05

中国の国内総生産(GDP)が世界2位になったことを受け、前原外務大臣は3月2日、対中ODAの削減を決めた。中国政府の報道官は「意外ではない」と冷静に受け止めながらも、削減の理由について「もっと詳細な理由があるはずだが」と不満を口にした。

 北京紙・新京報に掲載された記事は「GDPが日本を超えたことを言い訳にした」と削減決定を批判し、外交学院日本問題専門家の周永生教授のコメントを紹介した。同教授は、「ODAが形を変えた戦後賠償だと思っている人が多いが、両者を同一視してはいけない。両国政府はこれまで、そのような見方を示したことはない」と強調し、「日本の援助は中国の経済発展に多大な貢献をしてきた。中国政府も正式な文面で幾度となく、感謝の気持ちを示している」と述べた。

 この記事が大手ポータルサイト網易に掲載されると、3000を超えるコメントが寄せられた。なかに戦後賠償を持ち出して対中ODAの削減を批判する感情的なコメントもあったが、「援助の事実を知らない」や「GDP粉飾の結果」との声が少なくない。

 ―日本人がわが国を援助していた?(国から)それを享受したことはないが。(重慶市在住者)

 これは、日本のODA政策を中国人が知らなかった、と漏らすコメントで、1万7千人を超えるネット利用者がこのコメントに「支持する」をクリックした。

 ―日本人のお金はどこに使われてしまったのか。(米国在住者、ID:林副総帥威武)

 ―中国はここまで金持ちになったのに、何で援助が必要なの?日本外相の提案を支持。(オーストラリア在住)

 ―何だ、日本はずっと援助してくれてるんだ。日本人を罵る人を恥に思う。(遼寧省在住)

 ―日本は中国に無償援助していた、これは聞いたことがない。もしかしてこれも国家機密?(黒龍江省鶴岡市在住者)

 ―母校である湘西州民族中学校の科学技術館の建設とトヨタのマイクロバス2台は当時、日本から援助されたものだと聞いた。いずれにしても、中国を援助した国に感謝すべきだ。(インド在住者)

 ―調べてみて分かったが、1979年から現在まで、日本は毎年、中国の高速道路、教育、砂漠化防止、環境、医療、貧困と農業に多額の無償援助と無利子円借款を提供してくれた。新聞はこれらの事実を載せないで、恨みや誇張された歴史ばかりを掲載していた。(湖北省武漢市在住)

 ―もう援助しないでください。市民はそれを見たことも使ったこともない。どこに行ってしまったのだろう。もしかして幹部らに使われたのではないか。(広東省東莞市在住者)

 ―(GDPを)粉飾した結果、援助までなくなってしまった。(湖南省長沙市在住者、ID:浩奇)

 ―「GDPが日本を超えたことを言い訳に」と書いてあるが、日本が援助してくれていることが当たり前になってしまい、そのうえ、援助を打ち切るのに日本が「言い訳」をしただなんて、なんて恥知らずな政府なんだろう。(江西省在住者)
 

(翻訳編集・高遠)