【大紀元日本2月24日】北京や上海、重慶などの都市で21日、インターネットの大規模なアクセス障害が発生した。今回のアクセス障害は、DNSサーバーの一部の異常作動によるものとみられており、その異常発生の原因は、中国政府による新たなネット封鎖に関係すると専門家は分析している。
国内紙・新聞晩報22日の報道によると、21日の午後から中国各地で、インターネットへの接続が不安定な状態が続き、当日夜まで、北京・上海・重慶・浙江省・河南省・山西省・湖南省など広範囲にわたってアクセス障害が発生した。22日午前10時の時点でも、上海市のインターネット接続はスムーズに流れていないという。
障害原因について、中国電信は、自社提供ネットサービスの故障によるものではないと発表している。MSN中国も、MSNへのアクセス障害は自社サーバーの問題ではなく、利用者が使用するドメイン名と、コンピューターが識別するIPアドレスを対応させるドメイン・ネーム・システム(DNS)サーバーの異常作動によるものとしている。
専門家「中国当局の新たな封鎖強化によるもの」
在米中国人による検閲突破ソフトウェア開発団体・世界インターネット自由協会(GIFC)の責任者・夏比爾氏は、今回のアクセス障害は、先週末からのネット封鎖の強化と関連すると指摘した。19日朝から20日夜の間に、当局は突破ツールに対して新たな封鎖を行っており、その手法は行き過ぎたため、封鎖対象外のDNSの正常機能にも波及し、大規模な接続障害を引き起こしたと分析した。
IT関係のネットユーザーが自らのミニブログで行った解説も夏氏の分析を裏付けた。このユーザーによると、いくつかの省にあるDNSがIPアドレスを回送する際に、ネット検閲システム、グレート・ファイアウォール(GFW)の作動により、すべて北京のあるルーターに向かわせていたという。
民主運動のうねりに警戒する中国当局
エジプトなど中東の政変でインターネットが情報伝達の手段になったことを警戒し、中国当局はこのほど、ネット規制を強める姿勢を鮮明に打ち出している。
19日、胡錦濤主席は、党幹部の養成機関・中央党校で行った、社会管理をテーマにした演説のなかで、「インターネットの管理を一段と強化し、ネット世論を誘導するメカニズムを完備させる」と表明した。
胡主席の演説には、党最高指導部の政治局常務委員9人が全員出席していた。ロサンゼルス・タイムズ紙22日付の報道は、北京在住の政治アナリストRussell Leigh Moses氏のコメントとして、「通常ならこのような会議が開かれることはない」と指摘し、9人の常務委員と全国からの高層幹部がこの時期に2日にわたって集まることは「尋常ではない」と分析した。
同会議では、国家公安部の周永康部長が各地の幹部に「社会の紛争や衝突は初期段階で消滅させよう」とも指示したという。
「彼らは鮮烈なシグナルを発している」。香港を拠点とする研究者David Bandurski氏はこう語り、「そのシグナルとは、『我々は極めて警戒しなければならない、進行方向を固く保たなければならない』というものだ」と分析した。
一方、グレート・ファイアウォールの開発者、方濱興・北京郵電大学長も18日に国内メディアに対し、中国のネット封鎖はまだ威力が足りないと述べ、今後突破を完全にブロックできるよう、「ウォールの構築」をいっそう進める必要があると発言している。
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