【大紀元日本1月21日】18日の午後2時頃、訪米予定の胡錦濤・総書記が米国に到着する数時間前に、米国議会で記者会見が開かれた。行方不明中の中国人権派弁護士・高智晟氏の妻・耿和さんと支援者の米国下院議員らが参加し、オバマ大統領に対し、胡錦濤主席に中国の人権問題を公に提起して、高智晟氏を含めて監禁中の人権活動家の釈放を促すことを要請した。
耿和さんは記者会見で、次のように語った。
「オバマ大統領はかつて公の演説で、父親がいない幼少期の辛さを語られました。いま、大統領に伝えたいのは、私の17歳の長女と7歳の長男がこの言葉の意味を深く噛み締めているということです。2人は、父親と離れ離れになっただけではなく、父がまだ生きているのかどうかも知りません。もしかして秘密の場所で拷問に耐えているかもしれません。長女は13歳のときから当局の暴力、屈辱に耐え続けてきました。父親の消息が絶たれてから、彼女は情緒不安定に陥り、一時は入院しました。7歳の息子もいつも父のことを思い出して涙を流していました。私たち一家は、夫であり父親である高智晟の安否が心配なあまり、眠れぬ夜を過ごしています。そして、彼が悲惨な拷問に耐えているのではないかと思うと、五臓六腑が引き裂かれる思いです。その行方と消息すら知らない私たち3人は幾度も抱きしめあって号泣してしまいました...」
最後に耿和さんは、「オバマ大統領に、訪米する胡主席に対して直接夫の問題を提起し、その釈放を要求していただきたい」と述べた。
高智晟弁護士は、2005年から3度にわたり最高指導部に公開嘆願書を提出し、法輪功への弾圧の違法性と残虐性を訴え停止を求めた。その後、中国当局は同弁護士の法律事務所を強制閉鎖し、2006年には「国家政権転覆扇動罪」で、懲役3年、執行猶予5年の判決を下した。2007年には警察当局に強制連行されて行方不明になり、後に釈放された。2009年2月4日、高智晟氏は警察に強制連行されて再び行方不明になり、2010年3月北京で一時姿を見せてから4月にまた行方不明になり、今日に至っている。
妻の耿和さんは昨年3月頃に2人の子供を連れて米国に脱出し難民として保護されている。
AP通信は1月10日の報道で、2010年4月の同氏への取材内容を伝え、同氏の証言として、中国当局に監禁された期間中に受けたリンチ・拷問の内容を報じ、「その悲惨さは、言葉では形容できないほどである」と伝えた。
中国の人権問題に強い関心を持つ米下院のクリス・スミス議員とフランク・ウルフ議員も記者会見に参加し、オバマ大統領に対し、高智晟氏を含めて中国当局の迫害を受けている被害者全員の声を代弁するよう訴えた。ウルフ議員によると、胡主席が訪米する1週間前に、米国議会の超党派の議員32人が、中国人権問題への関心を求める内容の公開状を大統領に進呈したという。
記者会見に参加したウルフ議員(中)とスミス議員(右端)(大紀元)
今回の記者会見に、世界ウイグル会議のラビア議長や、信仰と言論の自由を求めたため13歳のときから当局に監禁されていたチベット人女性ナーワン・サンジュさん、「六・四天安門事件」の学生リーダー柴玲さんらも列席した。